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(道理でイザーク様以上に魔法に長けているわけだわ! ジョシュア様はこの国の魔法使いの頂点に立つ宮廷魔導師団長なのだもの!!)
「おれも本来の姿のジョシュアに会うのは初めてだな」
慌てふためくリナリアを見て、イスカは笑いながら立ち上がった。どうやら彼はアンバーの正体を知らされていたらしい。
「ジョシュア・バークレインだ」
それぞれ挨拶を済ませてから、ジョシュアはイザークの隣に座った。リナリアたちも着席する。
「うむ。娘の淹れた紅茶は格別だな」
リナリアが淹れた紅茶を一口飲み、ジョシュアは満足そうに頷いた。恐縮です、とリナリアははにかんだ。
「さて。昼間の茶番劇は思惑通りデイジーの名誉を失墜させた。よくやったと言いたいところだが、その代償に大貴族たちの機嫌を損ねた。これ以上の騒ぎを起こすとセレン王子の立場が悪くなるぞ、イスカ」
ジョシュアはティーカップに入った紅茶と似た琥珀色の瞳でイスカを見つめた。
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