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即決し、三人で頷き合っていると、イスカが噴き出した。
「『とりあえず』で人を半殺しにするなよ。半殺しって、どういう意味かわかってるのか? ほとんど死ぬ、それくらい酷く痛めつけるってことだぞ?」
「いえ、イスカ様を魔物にしたのですから、それくらいの報いは受けてもらわなければ困ります」
「全くだ」
首肯するジョシュアを見て、イスカは少々困ったように、それでも本当に嬉しそうに笑った。
◆ ◆ ◆
ロータムは隣国セルディアとの国境近くにあるフルーベル有数の温泉地だ。
大抵の宿が源泉から湯を引いている。その日イレーネが泊まった宿は、客引きによると『泉質が自慢の源泉かけ流し温泉宿』らしい。
星が空に輝き始めた夜。
イレーネは竹林に囲まれた部屋付きの小さな露天風呂に浸かり、目を閉じていた。
「いい湯だ……」
さわさわと揺れる竹の音を聞きながら悦に浸っていると、
「イレーネ様!!」
室内と室外を隔てる扉が物凄い勢いで開き、カミラがやってきた。
「なんだ。せっかく人が噂に違わぬ極上の温泉を堪能しているというのに、無粋だな。私はいま裸なのだぞ?」
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