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気づいたら、真っ白な空間にいた。
「ここ、どこ……?」
私が言うと、目の前に私にそっくりな少女が現れた。
「ここは、死後の世界よ」
機械的な声で言った。
「……でも、私、死んだ覚えがない」
「まあ、私があなたを消したんだもの」
消した……?この人は、人を操ることができるの……?
「あなたは、神なの?」
「ええ、そうよ」
私は、妙にすんなりと納得できた。
なぜなら、神なら死んだ記憶を消すことができると思ったからだ。
「なんで、私を消したの?」
「それは、あなたが世界に必要な人間だから」
「必要なら、消さないほうがよかったんじゃないの?」
「……世界が、存在意義のない人間で溢れたらどうなるか、実験してみたくてね」
少女が、にやりと笑い、舌なめずりをする。
私の頬を、冷たい汗が流れた。
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