4話 家族と仕事と

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スーパーで私は主に品出しと発注を任されているため、開店一時間前に出勤する。それでもすでに第一便のトラックから品物が降ろされてバックヤードに置かれている。私はチラシの商品を確認して担当部門の商品を手早く店内に陳列していく。夕方からのバイトくんが品出しをサボったのか、棚がいつもよりスカスカしていて少しイライラしたものの、パート仲間と協力して商品を並べていく。 「またあの子は中途半端にやって」 「本当。朝に来てこの品出しをやってみて欲しいわ」 などと愚痴を飛ばしながらもどんどん棚を埋めていく。とにかく開店までが戦場なのだ。 そして開店すると常連のご年配が何人かいらっしゃる。 「おはよう。今日は暖かいわね」 「おはようございます、いらっしゃいませ。そうですね。きっとすぐに暑くなるんでしょうね」  笑顔で挨拶をしては残りの品出しをしていくと、いつのまにかお昼の時間だ。  休憩時間には昼食をとりながらスマホを見て学校から連絡がないか確認する。急ぎの場合はスーパーの方に連絡があるが、普段の連絡網などはスマホに通知が来るため、習慣としてお昼に確認しているのだ。お陰様で娘は健康体なので滅多に急報はないが、それでも娘が大きくなるまでは融通のきくパート契約のフルタイムで働くと決めている。  午後は品出しの他、発注や雑務がメインの仕事になる。午前に比べると少し余裕はあるものの、午前中のみのパートもいるため店員数が減るので手広く仕事をしなくてはいけない。そして最後に夕方からのバイトくんが来たら引き継ぎ事項を伝えて、ようやく一日の仕事が終わるのだった。
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