第一章

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第一章

※この作品には言葉足らずな部分が多々あります。時間経過と共に修正していく予定ですのでご了承下さい。※ 1. 「スパイの発端」 「無鶴。そっちは」 無線から声が聞こえる。 「今のとこ問題無し。あと十秒」 「了解」 俺は後ろで爆発音が聞こえるのを待ったあと、写真をライターで燃やす。 「はァ」 株式会社グロリアス。 俺が持つ会社。 一見普通の株式会社だが、一点だけ違うとこ。 表は会社だが、裏はスパイ組織。 俺が率いってる、と言っても過言でもない。 「無鶴くん。お疲れ様です」 今日の夜は会社の会食だった。 こいつは手代木・依織(てしろぎ・いおり)。日本人。英名はアリア・エレース。 俺の秘書でもあるし、情報屋。 「お疲れ、今日の任務どーだった?」 リアと話していると、三人、ブライト・トニーク、シャドウ・エレンス、シージス・アルカナがやってきた。 「ぼちぼち。これ終わったら次の潜入調査の詳細渡すから」 「了解」 「お疲れ様です」 「お疲れ」 「お疲れ様です!」 その後、一人一人乾杯があった。 「リア」 「社長」 そして俺。 元々日本人だから、本名は時夜無鶴、もう一つは「ツルギ・ジヨ」。 まあ、みんなは「社長」とか「無鶴」って呼んでる。 「カンッ」 リアは最高位の敬意を表しているのか、一番低くグラスを持つ。 「イエス・ナヨの情報を徹底的に集めてほしい」 乾杯しつつリアの耳元で囁く。 「次の潜入調査も並走してですか。分かりました。なるべく早く持ってきます」 さすが俺の秘書だ。 俺ら日本やアメリカ、ヨーロッパの一部、UJ国(ユージャこく)と対立しているのがヨーロッパの一部を除くEUR国(イーロクこく)。 日々お互い様子を探り合い、どちらかが世界を占めようとしている。 そこで先日風の噂程度だが、EUR国からUJ国への「輸入停止」をしようとしていると耳に入った。 本当でないことを願うばかりだが、俺らが動かなければ分からない。 噂を潰し、自分たちに都合がよいものだけを集める。 この世界は醜い。 平等と不平等か、はたまた協力と対立か。 自分と照らし合わせて考えると気味が悪くなる。 「……クソ」 思わず呟いてしまう。 「社長」 「ごめん、聞いてるよ」 リアに言われ目を見ると、緊張していた。 「司会者さんに呼ばれてます」 慌てて前に行く。
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