最後の希望

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最後の希望

 1993年10月1日。  学校へ、急ぐ。  Y君との日々を振り返る最後の1日でもあるはずなのに、ただただあのことを一心不乱に考えていた。  教室に着く。  Y君の席を見る。  いつも着いているはずのY君の姿がなかった。  頭が真っ白になる。  Y君を母親から守れる、最後の希望だったのに。  その悲しさと共に、恐ろしさが限界に到達する。 (まさか、またあの母親が何かY君に…)  気づいたら、僕は吐いていた。かなり派手に。  後始末のこともあるし、Y君が休んだ理由は追及されることはなかった。                       
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