君の舌に触れるもの

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「ずっと触れててもいいなって思ったの、初めて。今ならご飯美味しく食べれそう」 「こんな時までご飯かよ。いつも美味しそうに食べてるくせに」  皆が寝静まる夜中にベッドで密着してキスをしていればその気にならないわけがなくて、ギリギリの理性で何とか手を出さずに済んでいるが、ものは痛いほど反応していて、余裕もない。それなのに東雲は呑気にご飯の話をし始めるものだから、その温度差に苛立ってしまう。 「味は美味しいよ。味覚はあるからな。でも、早食いなんだよ。なるべく口の中に残しておきたくないから。でも、葛原の舌は味わっていたくなる。不思議だよな」  これはわざと俺を煽っているのだろうか。どこまで我慢出来るか試しているのだろうか。俺ばっかりが必死で、求めているのも俺だけなのだろうか。  そう思うとムカついて、東雲も俺と同じだけ求めて欲しくなる。その苛立ちをぶつけるように俺は東雲を押し倒した。俺に抱きついていた東雲を押し倒すのは簡単で、その手を縫いつけるのも容易だった。 「ここ、ベッドの上なの分かってる? 俺も一応男だし、そんなに気が長い方でもないんだけど」  下半身を押し付ければ東雲も同じように反応しており、お互いの硬いものがぶつかり合って東雲は小さく喉を鳴らした。東雲も同じように反応してくれていることが嬉しかった。
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