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「洸くん、大胆。初めてとか本当?」
茶化すように下の名前を呼び、俺の下で首を傾げる東雲が可愛くて、誘っているようにしか見えなくなる。
「創聖が嫌だって言えば何もしないけど、どうする?」
同じように敢えて下の名前を呼びそう問いかければ、驚いたように目を見開き、逃げるように顔を背けた。掴む手首は途端に薄っすらと汗が滲み始め、どうやら照れたようだった。そんな東雲に俺は小さく笑いをこぼす。
「本当に、東雲の照れる基準が全然分かんないんだけど。自分で言うのが恥ずかしい? それとも、創聖って呼ばれるのが恥ずかしいのか?」
晒された首筋にキスを落とし、『創聖』と呼ぶ時に敢えて耳元で囁いた。すると肩がビクッと跳ね、ますます体が熱くなって汗ばんでいく。
「可愛すぎかよ。自分で言い始めたくせに、名前呼ばれるの恥ずかしいんだ? 抵抗はしないけど、いいのか? 嫌だって言わないと、創聖のことイジメるぞ?」
「ムカつく。同じ童貞のくせに、こんな器用に押し倒しやがって」
「ふふっ。拗ねてんだ? でも、こんな性急に押し倒して、俺余裕なさすぎじゃん。情けない姿晒してんだから、そんぐらい許せよ」
東雲が抵抗しないのをいいことに、頬にキスを落とし、一つ一つ確認するように手を滑らせ、東雲が嫌がらないかを見ながらどこまで触れていいかを探る。ただ、トラウマになっている口内以外にタブーはなさそうで、滑る指先に素直に身体を震わせ、声が出ないようにしているのか口を塞いだ。
男でも胸は感じるのだろうかという心配を他所に、東雲は瞳を潤ませて素直に反応を示した。どうやらとても敏感らしい。女の子の体に触れたこともない俺が気持ち良くできるのか心配だったが、東雲が素直に感じている顔をしてくれるので、緊張で萎えるどころか興奮は増すばかりだ。
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