君の舌に触れるもの

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「んッ……、やばい、気持ちぃ」  お互い相手のモノに触れながらしごきあい、東雲は俺の肩におでこを付けて快楽に耐えている。東雲は先走りが出やすい体質のようで、滑りが良くて脈打っているのが良く分かる。 「東雲、もうちょっとこっち来れる?」  そうお願いすれば、もっと体を寄せてくれ、近くなってぶつかり合ったそれを同時に握りこんだ。相手の熱が伝わるその触り方は一人でするのと全然違い、東雲は声が出そうになったのか口を手で覆った。指の隙間から吐息が漏れ、興奮度合いが伝わってくるようだった。  東雲の溢れる先走りのおかげで俺のも滑りが良くなり、気持ちよさに俺も息が上がる。 「東雲、キスしたい」  東雲のそれの脈打つ間隔が短くなり、限界が近そうなのを察してキスを強請れば、俺の首に腕を回してキスをしてくれた。迷いもなく絡ませてくれる舌に、トラウマよりも俺が勝っているという優越感に興奮を覚えた。  キスをしながら東雲は俺の滑らす手に苦しそうに喉を鳴らした。吐息交じりに漏れる声が艶めかしく間近で俺の鼓膜を揺らす。 「ダメっ、ィくぅっ……んぁ、」  欲を吐き出すのに力が入り、逃げ腰になって口が離れ、東雲の漏れる声を追いかけてキスをして塞ぐ。俺も後少しでイけそうで、そのまま東雲を押し倒し、既に欲を吐き出して敏感になっているそれと一緒にしごいた。東雲はその辛さに声が止められず、キスをする俺の口内でくぐもった声が漏れ続けた。 「っん、ィくっ……」  俺の欲は東雲のお腹の上に吐き出され、東雲は瞳を潤ませて苦しそうに呼吸を繰り返した。体勢や東雲の溶けた顔はほぼ行為に及んでいるのと変わらず、俺の白濁で汚れたお腹に何とも言えない罪悪感のようなものを抱いた。
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