君の舌に触れるもの

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「東雲声出すぎ。一人でするときも声出んの?」 「出る……だから、誰もいないときにしかしない」 「心臓に悪い。先に聞いとけば良かった。いや、まぁ聞く機会なんてないけどさ」  興奮していて止められなかった俺も悪いのだろうが、手が汚れていなければ手で口を塞ぎたかったほどで、今でも内心ドキドキである。東雲の先走りと掌で受け止めた精液で手はドロドロで、簡単にティッシュで拭ったがそれでは足りず、こっそりシャワーを浴びて一緒にベッドに潜り込んだ。  正直両親が起きていないかどうかは分からなかった。気づいていても出てきていないだけかもしれないが、もうどうすることも出来ないので、考えるだけで精神がすり減るその思考を放り投げた。 「東雲の体ってエロいよな」 「何それ、欲情したってこと?」  東雲は面白そうに笑ってそう茶化した。 「違わないけど違ぇよ。声も先走りも出すぎって意味で。ローション要らずじゃん」  そういえば、どの恥じらいスイッチを押したのか、両手で顔を覆って隠した。二人の間にある隙間も途端に熱気がこもり、タオルケットをはがして熱気を逃がす。 「今度は何が恥ずかしかったんだ?」 「いや、逆にあんなに出ないもんなんだと思って。俺、おかしい?」 「さぁな。俺も人がしてるとこを見たことがあるわけじゃないし。まぁいいんじゃない? 可愛いから」 「次は頑張って声抑えるよ」  そういう東雲に俺は面白くなって笑いがこぼれる。 「何で笑うわけ? 出来るわけないって?」 「違うよ。当然のように、次を考えてるんだなって思って」 「は? 当たり前じゃん。葛原は違うわけ?」 「いや違わないんだけどさ。俺も、次は人がいないときにって考えてた」 「スケベ」 「先に言いだしたの東雲のくせに。てか、早く寝ようぜ。明日出かけるんじゃなかったの?」 「目が覚めたらでいい。どうせ、葛原と一緒にいる口実作っただけだし」 「ふっ。本当に策士だな」 「だから言っただろ。なぁ、抱きついてもいい?」  もう全て打ち明けた東雲は、俺が寝た隙を狙う必要がなくなり、甘えるように確認してくる。
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