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母ちゃんは相変わらずベッドに寝ている。
段々とつらそうな表情を見せることも増えたし、寝ている時間も増えた。
幼い俺も異変を感じ取り、母ちゃんの傍らにずっと寄り添っていた。
「母ちゃん、死んだらいやだよ」
母ちゃんは目を開けてゆっくりと体を起こした。
「光一、母ちゃんはどうなるかわかんない。でも、今は生きてる。だから心配して泣いてばかりいるより、今日、母ちゃんと楽しく過ごそう」
母ちゃんは俺の頬の涙を拭い、俺は大きく頷いた。
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