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お風呂上がり、今日は病院で長時間待たされたせいか、いつもよりも体がだるい。
それでもお母さんやお父さんに心配かけるわけいかないし、何とか自分の部屋まで辿り着かないといけない。
お茶をいっぱい飲もうと台所に来ると、お父さんがお土産にもらってきたマカデミアナッツの箱が目に入る。
これ、スーパーで買ったものじゃなくて、免税店で買った美味しいやつだ。
昨日までの自分だったら、見なかったふりをする。けれども光一さんのお母さんが言っていた「今日を楽しく生きる」が頭を掠める。
思わずチョコの蓋を取ってしまった。
甘くて美味しそうなマカダミアンナッツチョコが並んでいる。
いや、だめ。
せっかくこの2年、甘いものを断って健康な体を作ってきたのに、一時の誘惑に負けてぶち壊していいのか?
絶対によくない。
チョコの蓋をしまおうとするが、光一さんを思い出す。
あとお金が12円しかないのに、サイダー飲んで、チョコ食べてた。
あの人でも何とか生きていける。
おそるおそるチョコに手を伸ばす。
「翡翠、どうしたの?」
お母さんが後ろに立っていた。
慌てて蓋を閉め愛想笑いし、お茶を飲んだ。
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