2日目

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城の敷地内に入ると、本格的にランニングのペースに なった。 心臓はドキドキするが、思いの外、しんどくない。 あっという間に、昨日の紗倉ゾーンに辿り着いた。 先輩、何処ですかーと足踏みしながら辺りを見回す。 「今日、俺ら来るのちょっと早かったかもね、紗倉 まだ此処まで来てないのかも、じゃあもうちょい先 まで走ってみる?」と、パールに促され、 「来てることは来てるんですよね?」と、そこは 念を押しながら再び、スピードを上げた。 プリプリと機嫌良さげなパールのお尻と尻尾を 頼りに、櫻子は走った。 気がついたら、なんと1周回って2周目に入っている のであった。 紗倉先輩が、作業着姿で、そこに居た。 「せ、先輩、お好み焼きいかがですか。 冷めてもいけますよ、(たかし)スペシャル」と、 櫻子は、首にかけていたタオルで汗を拭った。 涙袋のことはごしごしと拭った後に、しまったーと、 思い出したが、後の祭りだ。 「美味いね、さすがスペシャル」と、パールが言うと、 「マジ美味いね、ありがとう本郷さん。 崇さんにもそう伝えてね」と、紗倉はお好み焼きを 頬張った。 「先輩、口の端にソースが」と言いたいのを堪えて、 櫻子は、その光景を眺めていた。
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