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「ところで」と、お好み焼きを夢中に食べ終わると
パールが口火を切った。
「紗倉、仕事は順調?」
「ああ、まあな。合図が来たら、撒くまでだ」
ペットボトルの水を飲んでいると、そんな会話が
聞こえた。
撒く?巻く?何のことだろ?
「スペシャルのお礼に、秘密を教えてあげなよ」と、
パールが満足そうに口周りを舐めながら、紗倉に
言った。
「そうだね。本郷さん、口固そうだし、言っても
いいか」
「はい、私、口固い。本郷、嘘つかない」と、櫻子は、
何故かインデアンを真似て宣誓した。
ベッドの枕元にドリームキャッチャーを飾っている
せいかもしれない。
「実はね、」と、紗倉は身を乗り出した。
万が一、歯に青のりが付着していたって、私は絶対、
蛙化現象など起こさないだろう。
決意した櫻子も、身を乗り出した。
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