セカンドスキン症候群 ~ フェティッシュ・ヴァリエーション:Case02

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 子どもの頃も青春期もスポーツなんて全然好きじゃなかった。そんなことよりもカラオケで歌ったりマックでダベってるだけで十分満足してた。そんな私が天気のいい休日には何をさておいてもウォーキングに励むようになったのはやっぱりアイツ、あの男のせいだ。  あの男、アイツと私は高校の卒業式の日からつき合い始めた。  どうやら高校生活三年間、アイツはずっと私を想い続けていたらしい。包容力があってどんなことでも許容してくれそうな懐の深さって、ちょっとちょっと、それって女性が男性に抱く想いだと思うんだけど、なのにアイツは男のクセに女の私にそんなことを言ってきた。  そしてアイツはアイツなりに覚悟を決めて最初で最後の賭けに出た。 「つきあってください!」  確かに父一人娘一人の父子家庭だった私は他の()にくらべたら世話焼きな方だったし、だからアイツは私に母性みたいなものを感じていたのかも知れない。でもそれって恋愛感情なのかなぁ、ひょっとしたらただのマザコンだったのかも。  それでも生まれて初めての告白、あまりに突然のことに舞い上がってしまった私は結局二つ返事でそれに応じた。  そう、彼は見事に賭けに勝った。そしてこれがアイツと私の馴れ初めだった。
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