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一年後、彼は商社に就職した。学生の頃から一般企業に就職するつもりだったのだ。
「絵では食っていけないからね」
「絵を描くのは、あくまでも趣味だから。これからも絵は描いていくけれど、日曜画家ってのになるのかな?」
そう言って照れ笑いをしていた。
大阪勤務になった彼とは、お互いが東京と大阪を行ったり来たりして月に2回ほど会っていた。
「交通費がかさむから贅沢できないね」
「ずっと一緒にいたいなあ」なんて言っていたのだが、2年後に彼はニューヨーク支店に転勤になった。
「待っていてくれよ」そう言い残して彼は旅立っていった。
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