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ハンチントン病。脳が冒されていく進行性の難病だ。
不随意に身体が動いてしまい転倒などによって怪我をしたり他を傷つけたり。そんな症状から始まって、やがては痴呆などの症状も現れる。
これといった治療の方法も確立されていない。
父と母は、結婚前に母が不治の難病に侵されていると分かったのだが、父が強く希望して結婚したのだという。
愛を貫いて、とか病苦を乗り越えて、などと言うと美しく聞こえるが、実際はそんな生やさしいものではない。
40歳を過ぎた頃から、母の病状は急激に進行した。
まともに食事をとることが困難になった。誤嚥を起こして救急車を呼ぶことも度々あった。
トイレさえも一人では行くことが出来ない。始末も出来ない。
さらに精神的にも荒れて、大声でわめきながら怒ったり泣いたり。
何をしでかすか分からないので、常に見守っていなくてはならなかった。
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