空に祈り

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「今日のあずみちゃん、何だか変だよ?」  武蔵山高等学校、二年一組。  お昼休み、教室には明るい声が飛び交うが、クラスメートの理佐ちゃんは私の席にやってきて苦笑した。  変……? 私の昨日の変化はもうばれてしまったのか。  いや、そんなはずはない。  私の見た目は何も変わってないのだから。 「そうかな?」  私は首をかしげる。  分からないふりをした。  すると理佐ちゃんも首をかしげたけど 「……気のせいだったかも」 と、すぐに意見を改めた。そして理佐ちゃんはにこりと笑う。 「でも改めて今年も同じクラスになれてよかったと思う。美人なあずみちゃんの側に一緒にいられるなんて幸せだよ」 「理佐ちゃんのが可愛いよね? 髪ストレートで女優みたいに綺麗だって……みんなからよくモテてるよね?」 「え、そう? ありがとう!」  素直に喜ぶ理佐ちゃんを見て、私は心の中で思う。  ごめんね、最初の質問をはぐらかして。  でも、時期に分かるよ。
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