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【悲報】ワイの借金残高
ワイ、オナラの臭いを消臭するスキルを持って万年。
人前でも閉鎖空間でも安心して、すかしっ屁できるんやで。
しかしやで、学園の教室ですかしっ屁しようとしてふと思ったわけや。
音がしたらバレるんちゃうか。
無意識にオナラするくせがあるワイのせいで、エリザベートのあだ名がオナラベートになったりしたらエリザベートに顔向けできへん。
オナラを無音にするスキル、あるんか?
あったで。
1億円や。
安いな。
いや、高いけどワイの金銭感覚も麻痺してくれるんやろな。
やけど、美少女にとってはお買い得スキルやん。
昔の高貴な人はオナラを身代わりしてくれる人を雇ってたくらいやし。
ローンで購入したった。
これで安心してどこでもオナラが思いっきりできるンゴ。
しっかし、みんなオナラはどないしてるんや。
やっぱ、すかしっ屁してるんやろな。
人間、オナラは我慢できん時もあるやろうし。
中学の時、前の席の女子がオナラしたんやがワイがしたことにされたりしたな。
まあ、ワイはよくオナラしてたから冤罪を受け入れていたけどな。
そんなキモオタデブのアホなワイが、ひどいいじめをされなかったのは、パッパが警察の偉い人やったからや。
いじめが怖かったワイは、いじめられそうなると「ワイのパッパは警察の偉い人やで。ワイをいじめたら大変なことになるで」っていつも言ってたからな。
オナラを無臭無音にできるようになったワイは無敵やで。
(愚民どもよ、ワイのオナラを吸えばよいわ)
って思いながら教室で何回もオナラしたった。
みんな王族貴族の関係者やから愚民どもじゃないけどな。
3日間、学力テストや体力テストとかあったやで。個人面接もあったな。
ワイちゃん、無事にAクラスになった。
エリート街道まっしぐらやで。
ワイ、結婚するつもりないからキャリアウーマンになるんやで。
女さんと結婚してええなら結婚するのもやぶさかではないやで。
自己紹介タイムになったで。
あいうえお順やから、エリザベートのワイの順番は早かった。
「公爵の孫でエリザベートです。耳が悪いので声をかけられても無視するかもしれませんが、相手の口を見れば言ってることはわかりますので。よろしくお願いいたします」
って、自己紹介したった。
ワイ、ボッチやったからな。友達づきあいとかよくわからんし、面倒やんな。
休み時間はトイレ行くか、どこでも熟睡スキルで寝ることにしとく。
体内時計スキルを購入したさかい、起きる時間を設定しといたら熟睡しとっても寝坊することもないんや。
耳がよく聞こえんキャラはボッチ好きなワイにはバッチリやった。
ワイ、妄想するか本でも読んどけば時間はつぶせるし。
体力テストはぶっちぎりの学年1位やったから、いつも静かに本を読んでる身体の弱い深窓の令嬢キャラは無理やし。
学力テストは手を抜いたで。
満点とって、美少女でスポーツも万能な完璧な出来すぎちゃんは王族に妬まれると嫌やしな。
100点満点で70点になるようにしたった。
体力テストでぶっちぎりの1位やったら、総合点でAクラスやと思ったし。
同じクラスに国王の孫娘がおるんやけど、そいつが「学力は私が学年1位ね。やはり女は体力より知性よね〜」とか言ってやがったけどな。
ワイ、美少女ランクでぶっちぎり学年1位やで、冗談ぬきで。
クラス委員とか決める時間や。
さっさと決まったらええんやけど。
ワイ、図書委員に立候補したで。
図書委員は人気がないのかしらんが、立候補したのはワイだけやった。
めでたくワイは図書委員や。
体育委員に推薦されたんやが、耳が悪いのでって断ったやで。
体育委員なんてもんは陽キャやリア充がやるもんや。
まあ、なんやかんやボチボチな学園生活スタートやな。
問題はワイの借金問題や。
現在、ワイの借金総額は22億円くらいなんやが。
……ぴえん。
異世界広しといえども、12歳で22億円の借金があるのはワイくらいやろな。
トッププロアスリートにでもならんと返せん額やで、ほんま。
返済は70歳まで毎月最低1万円でええんやけど。
それまでに死んだり返せん時は、ワイの親族一同や子孫から取り立てするらしいンゴ。
そんなん悪くて死んでも死にきれん。
ステータスボードが取り立てするようなんやが、ワイの兄ちゃんや弟妹の子孫たちのステータスボードに、ある日突然、「あなたの叔母のエリザベートが残した借金をあなたから返済してもらいます」って出たらワイは墓の下で泣くしかないわな。
死んどるから泣けんやろうけど。
なんとかして年収1億円、年間所得5000万円くらいは稼がんとあかんよね。
テニスのプロ大会とかあれば、かなり稼げるやろうけど。
日本のプロテニス選手、スポンサー料込みで年間10億円以上の収入がある女性もおったしね。
こっちの世界にプロスポーツはないようやし。
ちょっと仲良くなった体育教師の女先生に、なんかいい金儲けがないか聞いてみるかいな。
「アリス先生」
「どうした、エリザベート」
「私でも稼げるアルバイトを知ってたら教えてクレメンス」
「クレメンス?」
「教えてください」
「クレメンスとはなんだ」
「言い間違いです。忘れてください」
「そうか。どうした、男に貢ぐのか?」
「いえ、まさか」
「いくら欲しい」
「そうですね、できるなら年間1億円くらい」
「なら、冒険者くらいか」
「え?」
「知らんのか、冒険者」
冒険者?
「もしかして、ダンジョンとか攻略する?」
「そうだな」
ダンジョンとかあるんかい。
「12歳でも冒険者ってなれるんですか?」
「知らんのか?」
「まったく」
「まあ、公爵家のお姫様には冒険者なんて関係ないしな」
「そういう先生も王族ですよね」
「王族と言っても教師になるくらいの下っ端だ」
「はあ」
そう、王都学園の教師はだいたいは王族なのだ。
まあ、王族とはいってもトップの国王から国王の遠い親戚までいろいろだけど。
「未成年者でも保護者が許可すれば冒険者になれるし、学園が休みの日はダンジョン攻略していいぞ」
「なるほど」
ワイのパッパ、許可してくれるやろか。
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