シェアハウス

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1・首の暗号 「チリンチリン、、、。」 ベルの音が部屋中に響き渡る。 そして、俺の隣にいた家の管理人らしき人がこういった。 「皆さん!こちらに注目してください。」 すると、シェアハウスに住んでいる住民の女性がこう言った。 「皆さんに良いお知らせよ。」 「今日から、皆さんのお兄さんになる子よ。」 「みんな仲良くしてあげてね!」と俺がシェアハウスに住むことを歓迎してくれている感じがした。 女性が続けてこう言った。 「さぁ、皆さんに自己紹介をしてあげて。」 俺の耳にそっと囁いた。 そして、俺は自己紹介を始めた。 「今日から、シェアハウスに住むことになりました。森川連です。 よろしくお願いします。皆さんのお兄さんになることを楽しみに していたので仲良くしてくれたら幸いです。」 この話は、俺がシェアハウスに住む10年前の事。 俺は、すっかり成長し中学生になった。 シェアハウスに来たのは、5歳のときであれから10年経ったことを思うと早いと感じる。 でも、、、不思議なのがシェアハウスに住む家族は血の繋がりが1ミリもない家族になったのだった。 今は15歳、、、勉強に集中しなければならない時ではあるが、、、俺には言えない秘密がある。 それは、首のあたりに番号が振ってあることだ。 首の番号は、、、取ることができない。 番号は家族全員に振られているらしく、一生の傷になるらしい。 そんな事を考えながら勉強をしていたら、母親に呼び出された。 「連、ちょっと個室部屋に来てくれない?」 「用事はすぐ済むから。」と二階で勉強をしている俺に話しかけてきた。 俺は勉強をしていたが、母親に「用事がある」と言われた瞬間、、、体が冷え切った感じがした。 そして、俺は少し遅れて返事を返した。 「あ、、、今すぐ行くから、、、ちょっとまってて」 なにかに怖がりながらも返事を返した。 返事を返したらすぐに母親の返事が返ってきた。 「あら、、、そう、、、。」 「すぐ来なさいよ、、、。」 「は、、、はい。」 母親の言葉に何かが隠されていると感じ取った時、より冷え切った気がした。 そして、俺は勉強を終わらせて個室部屋へ急いだ。 ドアを開けた瞬間、俺の目に泊まったものがあった。 それは、「SHELTER0307」という首元に暗号を打ち込む装置だと母親はそう、、、口にした。 俺は、SHELTER0307を目の辺りにしたときの恐怖や装置の大きさなどに微尿だけれど、、、いやつ感を感じた。 その時、「コンコン」ドアをノックする音が聞こえた。 俺は、何なんだろうと思った。 母親が返事を返す。 「いいわよ、入ってきなさい。準備はできているわ。」 「分かりました。では、入ります。」 そう言って部屋の中に入ってきたとき、母親の手伝いをしている女性の足元にいたのはまだ幼い子供だった。 俺は少し驚いてからこう答えた。 「秀哉も、SHELTER0307をやりに来たのか?」 「うん!」 秀哉は、とても元気に答えた。 「お兄ちゃんもやるの?」 「うん。お兄ちゃんも秀哉と同じことをするんだ。」 「僕と一緒だね!お兄ちゃんがいれば僕怖くないや!!」 「そうだな、俺も秀哉がいれば怖くない気がするよ。」 秀哉と仲良く話していたら、母親が話を割り込んできた。 「さぁ!最初は誰がやる?まぁ、、、もう最初にSHELTERの餌食に なるのは決まってるんだけどね!」 俺は、母親の発言に少し不気味感を覚えた。 そして、俺は秀哉を俺のところまで引き寄せ秀哉を守ろうとした。 「お兄ちゃん、、、?」 秀哉が話しかけてきた。 「どうした?怖いのか?大丈夫だからな、お兄ちゃんがいるから安 心しな。」 俺は必死に秀哉のことをSHELTER0307の所まで連れて行きたくなかった。 なぜなら、、、首元に打つインクの材料が、彼岸花の花びらから採取した猛毒だからだ。 まだ、幼い秀哉にとっては危険すぎると分かっていた。 秀哉が不安げに言った。 「お兄ちゃん、僕やっぱり怖い。お兄ちゃんと一緒が良い。」 秀哉もどうやら分かっているらしい。 俺が秀哉を慰めようとしていると母親が秀哉の腕を引っ張ってSHELTER0307の装置に無理やり連れて行こうとした。 俺は必死に、母親の腕を引っ張った。 「蓮!!その手を離しなさい!!」 「秀哉にはまだ、早すぎる!!もう少し大きくなってからにしてく れ!!!!!」 俺が、母親に説得をするかのような声を上げたときに母親の動きが少し鈍くなった。 そして、母親が俺の近くまで近寄った。 「流石ね、、、兄弟愛が強いだけあるわねぇ。連はお兄ちゃんだから 弟を守ろうとする気持ちが強いわね!!」 「でも、もう遅い!!!SHELTERには秀哉が座っているから。」 「大人しく待ってなさい。」 強い言葉が、俺の心の中で突き刺さる。 すると俺は体が思うように動かなくなっていった。 母親の言葉に何かしら違和感を感じた証拠だ。 「はぁ、、、はぁ、、、はぁ、、、」 次第に過呼吸になっていった。 母親は、俺が過呼吸になっているのを見計らったかのように秀哉の元へと向かっていった。 秀哉は母親が向かってきたのを見ると、急に泣き始めた。 「うっ、、、え〜〜〜ん!ぐす、、、うっ、、、。」 俺は、次第に母親に対しての怒りが込み上げてきた。 「秀哉!!!!!!!!!」 怒りと一緒に秀哉の名を大声を出しながら怒鳴りあげた。 「静かにしなさい!!!!連!!!!お兄ちゃんなんだから静かに しなきゃいけないことぐらいわかるでしょ!!!!!!!!」 母親も怒鳴りあげ、俺にきつい事を言い終わってから秀哉の準備をした。 でも、秀哉は泣き止まなかった。 「うっ、、、お、、、お兄ちゃ〜ん!!!!」 俺は自分の行動に移すことができなかった。 そして、秀哉の首筋に針が入り込もうとした、、、。 「グサッ」 「うっ、、、」 これで良かった、、、秀哉を守るために俺は命をかけて守ろうとした。 俺の手のひらに針が刺さり多少の猛毒を手に取り込んでしまった。 でも、秀哉を守ることができたなら良かった。 「うっ、、、」 「お兄ちゃん、、、!僕のために犠牲になる事しなくても良かったの に!!!!」 秀哉は俺の行動を指摘した。 俺は、猛毒に食らいつきながら秀哉の事を納得させることに精一杯だった。 母親が近寄ってくるのを、見かけた俺は意識が朦朧としながらも声を出そうと最初で最後の力を振り絞って母親に声をかけた。 「個室部屋は、もう一つあるんだろ。俺はここに来るまであたりを 見渡して個室部屋は、、、ここだけではないといゆ事を、、、。」 「そうねぇ、、、正解よ。」 母親は俺に見破られたことを悔しく思っているみたいだった。 俺はもう少し話を続けた。 「これは、、、秀哉と俺の絆を確かめるための、、、実験であり、、、秀 哉がSHELTER0307の、、、猛毒を、、、受けようとしたときに俺が どんな行動をするのか見てたんだろ、、、!」 母親は降参したかのように母親の手伝いをしている女性エミルを呼び出した。 「秀哉をもう一つの個室部屋に連れて行って、首筋に番号を打ち込 みなさい。」 「かしこまりました。」 そうして、秀哉はエミルによって連れ出された。 「連、、、毒がそろそろ回ってきたところじゃない?苦しいことさせ てごめんね。でも、楽になるから安心しなさい。」 「うっ、、、。」 俺は次第に、記憶が朦朧とし目の前が薄暗くなった時。 「バタン、、、!」 俺は、意識がなくなり倒れ込んだ。 しばらくして、目が覚めた。 目を覚ますと俺の周りには兄弟がいた。 「お兄ちゃん!目が覚めたんだね!良かった〜。」 心配そうな声が俺の耳をよぎり少しではあるけど、泣きそうになった。 「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫だ。ところで、、、秀哉 はどうしたんだ!?体調崩してな、、、うっ、、、がは!?」 俺は、突然、、、風邪を引き始めた。 「ごほ、、、ごほ、、、ごほごほごほ、、、。」 すると、一人が俺のおでこに手を当てた。 「お兄ちゃん、熱あるから少し休んでてね。お兄ちゃんの事は俺が 面倒見るから布団から動かないんだよ!」 「わ、、、悪いな。」 兄弟の中には、面倒見のいい人もいるのが分かったので少しは安心した。 布団の中に入り、兄弟と話をしながら熱を下げるための氷が来るのを待っていた。 「お兄ちゃん、熱、大丈夫?秀哉だよ!僕は、体調崩していないか ら気にしないでね!!」と元気な声が耳を通る。 俺は、秀哉の声だと分かった瞬間に布団から飛び起きた。 「秀哉!!元気で良かった!体調は?どこも怪我していないか?」 あまりの嬉しさに、声を張り上げた。 「秀哉、話をし、、、がは!?」 また、喉がはち切れそうになった。 喉がはち切れそうになったのは、嘘ではないみたいだった。 俺は、口から血を吐き出した。 血を吐き出したときは、一瞬めまいがした。 すると、俺が倒れた際の記憶が頭の中から出てきた。 「本当は、お母さんも、、、こんなことはしたくなかったのに、、、。」 その時俺は倒れていて記憶がないはずなのに、、、何でだ? 俺は、不思議な感覚に襲われた。
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