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まるでアインシュタイン
今、聡がクリップで掴んでいる金属は電気系統に使われていた銅板だ。
「坊主、これはな電気系統に使われていた銅板だ、出来るだけ薄いの見つけて置いたぜ、なにせ銅って重いからな」
「叔父さん有難う」
どうやら、車両内の配電盤に使用されていたものらしい、車両の解体の際、発生した廃材であり鉄よりは貴重な金属とされている。
今日聡が接続しようとしているのは、いつものバッテリーではなく、発電機用に使っていたモーターのようだ。そう、モーターって言うのは相当な電流が流れてこそ動作する。
『よし、あとはこの金属の片側をモータの電極に接触させればいいんだ・・が?どうなる?・・ん?回ってくれよ⁉』
(ウ~ン、ウ~ン・・)
『そし!回り始めたぞ!』
銅は電気を通しやすい金属だと知っている筈の聡だが、どうして心配するのだろう。
『ウ~ンう~ん、ダメかこれ以上回転が上がらない・・それより銅板がおかしいぞ?』
聡は銅板に顔を近づけた。
『熱い!かなり銅板が病んでいる・・駄目だ、ひとまず中止だ!』
かなり悔しそうな聡が銅板を掴んでいたクリップを離すと、すぐさまペンチとプライヤーを使ってその銅板をいとも簡単に三つに折り曲げた、つまり短くなってしまったが三倍の断面積が確保できたことになる。つまり三倍の電流が流せることを聡は知っていたことになる。
『回った!そうかやっぱり銅板が薄くて電流が流れにくかったんだ、電圧を上げてやれば別だがね』
凄い少年だ、今年6歳になったから春には小学生になる予定だが。
電気理論なんて高等学校で教わるものであり聡が〚ホームの法則〛なんて知る余地もない。
だが公式なんて必要ともしないで実証実験をしてしまった。
だから聡にとって世の廃材は潜在能力を輝かせる宝の山だったんだ。
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