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自力走行
「うわー凄い、何この可愛い鉄道車両⁉ しかも自分で動いてる! レールが金属製なんだ・・と言う事は・・これは二本のレールから電気を頂いてるってことだ!」
「ほぼ正解だ聡、でも家庭用の電気じゃ感電の危険があるので電圧は・・」
親父が言おうとした言葉をそのまま摘み取った聡。
「直流の12ボルトかな⁉」
「そう、よく分かったね」
「だって父さんの工場のチャージャも直流の12ボルトレンジがよく使われているもん。
「どうして? 父さんたちが仕事してる時って、聡は見たことが無いのに・・どうして12ボルトレンジがよく使われてるなんて分かるんだ?」
「だから、12ボルトって文字だけが凄く薄くなってるでしょ。きっと手袋が良く触れるからなんだ。」
「お前は凄い、偉いぞ聡」
「でも二本のレールに釘を落としたりするとショートしちゃうよね? 絶縁ってどうしてるんだろ?」
(よく云うよね、つい先ほどまで親父さんの仕事場でショートさせようとしたのは何処のどなたでしょうかね。)
「さぁなぁ、どんな仕掛けになってるのかね?」
じつはこの親父、発電機を仕事にしているだけあって絶縁の仕組みはお茶の子さいさいだ。でもそれを聡自身に想像させるためにあえて解説することはしなかった。
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