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【自創作】今日も私は。
「…またあの夢か……」
どうやら座ったまま寝ていたようだ。
もう過去なんて気にしない、そう決めたのに。
私には勿体ないくらいの暖かい日々が、暖かい人達が此処にいるのに。
なのに奥底に根付いたあの頃の記憶が私を苦しめてくる。
……なんと哀れで、滑稽で、醜いのだろう。
「……ははっ、馬っ鹿みたい…」
あの記憶から逃れることなんて出来ないってもうとっくに知っていたはずなのに。
逃れられる、なんて思った自分が馬鹿に思えてくる。
……いっそのこと死んでしまえば、楽になれるのだろうか。
…いや、そんな考えをするのは辞めよう。
大切で守りたい人も、私にとって家族のように思える人も此処に沢山いる。
だから生きよう、またあの人達と笑って過ごす為に。
こんな、幸せで、平和な日常をもし壊されそうになったら私は自分が死んででも守ってみせる。
私に生きる意味をくれたのは先生だから。
私が居なくとも、先生が、皆が笑って過ごせるならそれで良い。
「……ありがとう、リムレス先生」
そう、届かない言葉を口にした。
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