私が私でいるために俺として生きる。

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二年前に初めて会ったその子は、ほんと、誰にもモテるような子で、正直憧れだった。 その子を…そうだな、まぁ、覚えやすいし、わかりやすいから、Aちゃんにしよう。 Aちゃんは二年前に初めて会ったから、その前のことは何も知らない。 昔の写真も、思い出も、何も耳にしたことがない。 だから、本当のことはわからないけれど――それでも、きっと、Aちゃんは、どんなときでも誰かに好意を抱かれていたんだと思う。 どんな男子にも同じように、優しく、鋭く話しかける。 誰かが面白いことを言ったら、 「あっははっ!さいっこう!」 誰かがふざけたら、 「何それ!あははっ!」 か 「ふっ…何それ。」 女子の友達が面白いことをしたら、 「あんた何それ!さいっこうなんだけど!」 基本的に、感情によって使う言葉が決まっている。 テンプレって感じ。 Aちゃんとは知り合い以上友達以下くらい。 未満じゃないのは、距離感が時によるから。 関わることが多い時は『友達』。 関わることが少ない時は『知り合い』。 用がない時は話さない。 これが私とAちゃんの距離感。
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