いつから、そこに居るのか

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「ざっとこんな感じだな」 「色々聞きたいことが有るんだが まず勇者は何をしたんだ? 魔王を討伐した時の勇者の強さが異次元 なのは想像がつく だが、魔族のお前から見てそんなに異常な ことだったのか?」 フェイルからの質問は妥当である なにせ語る上で恐らく1番興味が注がれる場所の話しをあえて私はしなかった 「私の夫との約束だぞ? そう易々と話す気にはならん それに、その話を聞いて真似をする馬鹿も 見たくない」 (なにせ貴様がそれを出来るかもしれないのが問題なのだ) スキルが未だに??という事はスキルを使ったことが無いという事 使ったことが無い上にステータスが”上昇”し続けるという事が気がかりなのである 勇者も段々ステータスが伸びて居たが それは勇者のスキルによるもの つまりスキル次第ではステータスを上昇し続けられるという事 (まぁ当時の私はステータスが見れなかった為勇者のスキルがどれほど有り又勇者のステータスがどれ程高かったのかは分からないが) 念には念を 我ながら悪くない判断だと思う とりあえずの所は様子見 勇者が私を生かしてくれた なら、勇者との約束も果たさなければならない (それにはまず今の魔族たちの動向を知りたいのだが) この2人は何故か教えてくれない 魔王が居なくなり平和が訪れたのに エアフォルクした人類を探しているというのも気がかりである 尚且つ、先日現れたエゲル生きていたのは驚かないが何故また人類を殺しているのか 死んだ魔王に報いる為なのか はたまた、一方的な八つ当たりなのか その真意が分からないうちはエゲルとの戦闘はなるべく避けたい 恐らく今の私では太刀打ち出来ない 刀の中から見た感じあれからまた力を付けたようである 今の私も当時の私と比べると強くなっているが それでも、恐らくだがエゲルの方が強いだろう 魔族の強さの成長は一定では無い 生きている 窮地に立たされそれを打破したり、窮地にたたされるだけでも強くなる場合が有る エゲルの場合魔王の為に戦闘を繰り返していた為ステータスは、微量ながらも向上続けているはず 私もステータスは向上した 大幅に 何故かと言うと 勇者の施した封印魔法はその者の存在全てを封印する物 それに2つの能力を施したもの 1つ封印された者の身体的欠損を月日をかけて完全修復すること 2つ封印された者にどのような形であれステータスの向上を促すこと つまり私は中に封印されながら体の欠損つまり 死にかけから全回復しながらステータスを向上させていたことになる しかも、魔族特有の生きているだけでステータス向上もプラスされる為 今の私のステータスは以前とは比べ物にならない程上昇している 「ディアさん、私聞きたいことが有るんだけ ど良いかな?」 あまり話しかけてこないアーシャからの質問だ 美味しいご飯を作るのだ答えねばなるまい 「なんだ?私に答えられる範囲ならなんでも 答えるぞ?」 「わぁ〜、じゃ、じゃあ えと、その 勇者の何処が好きだったの?」 不思議だ夜で太陽も無いと言うのに顔がやたら熱い 「アーシャよ、もう夜も遅い、寝た方が良い んじゃないかな?」 「なんでも答えてくれるって言ったのに」 むっす〜 という効果音が聞こえてきそうな程に頬が膨れている ブツブツ文句を言いながらテントに入るアーシャ (アーシャよ、許してくれそんな事を話そうものなら恥ずかしくて穴に入りたくなる) 「おい、オス 私が見張りをしておいてやるからお前も 寝ろ、後なんか酒よこせ」 「酒なんか持ってる訳無いだろ」 「チッ、使えんな」 「悪かったな ·····なんかあったら起こせ俺も手伝う」 「私の方がお前よりも遥かに強いんだぞ? 手助けなんぞ要らん」 「チッ、そうかよ」 そんなやり取りをした後、あいつもテントに入っていく 「懐かしいものだ、勇者よ 私はお前たちの旅の時もこうやって 夜の見張り役をしていたな」 そんな独り言をつぶやき、夜空を見上げる あの頃とそんなに変わってないように見える空と 私の周りにいた人達が居なくなったであろうという事実に少し目頭が熱くなった
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