いつから、そこに居るのか

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「随分と勝手な真似をしてくれるじゃないか」 フェイルに振るわれるはずの刀を腕で受け止めている。 ディアの腕は切断までは行かないまでも 剣が骨までは達しているぐらい斬られていた 「おい、今のうちにアーシャの元へ行け 今ならそこまで遠くには行ってないだろう 回復魔法かけてもらったら、戻ってこい」 …… ………… ? 返事がない 「なんだ?気を失っているのか…… やれやれ」 フェイルの方を見ている間に 甲冑の男が斬り掛かってくる 頭から股下にかけて真っ二つにしようとしている、だが その剣を素手で受け止めるディア 甲冑の男に顔を向ける 睨んでいる 「おい、貴様…… 私の可愛い弟子を半殺しにしたのだ それ相応の覚悟はできているのだろうな?」 そういうと同時にディアは魔力を解放する 解放すると言っても全力の3分の1にも満たない これで怯むならその程度の雑魚 怯まないなら まぁ……遊べるか? ぐらいの相手 推し量ろうにも封印の調整的にこれが今のところ全力 相手がこれ以上強い様であれば上限が上がるだろう 「貴方が出てきたという事は、主の言っている 事は事実のようですね」 急にかしこまる相手 「なんだ?私とは遊んでくれないのか?」 「何を言いますか 貴方と遊ぶとなればこちらは命を 賭けなければならない」 「ふん…力量を見る目はあるようだな ……ところで、貴様は何者だ?」 1番肝心なところである フェイルには襲いかかるが 私にはかしこまる… 魔族なら意味が分からない 人間なら魔族と分かれば殺しに来そうなもの ……つまり、人類でも魔族でも無い者 「主からは素性は明かすなと言われています ただこれだけは伝えろと 我々は貴方達の味方です」 後ろを見る 「半殺しにしておいてか?」 「すみません、思ったより弱かったもので 多少全力を出せば、フェイル殿も全力を 出すかと思いましたが、既に全力だった みたいですね」 声音的に、殺す気はなかったらしい (まぁ、こいつがこの男より弱いのは事実だな) 「それでは私は帰ります」 「はい、そうですか ……ってなると思うか?」 ディアに腕を捕まれ動けない甲冑の男 「すみません、ディア様言い方を変えます 全力で逃げます」 そういうと男はディアに斬り掛かる ディアは剣を止めようと右手を動かすが 先程の傷がまだ治っていない為男の腕を離し躱すことにする それを見た男は全速力で逃げる ディアは追いかけようとしたが 半分死んでいるフェイルを見て諦めた 「全く……手間のかかる奴だな……」 甲冑の男 そもそも甲冑はどうやって手に入れた? あれは王都の衛兵しか着れないもの という事は衛兵なのか? 違う逆に目立ちすぎる なら、部外者の可能性だろう そもそも、人類でも魔族でもない という事は…… 「いずれにしても、種族が分からない以上 考えても分からんな」 知り合いが居る種族はいくつかある そこに属している者であれば話は通せるがそうでないなら詮索することが難しくなる 「とりあえずは、こいつをどうにかせねばな」 出血は多いが、担いで行った方が早いだろう 息はある (一旦アーシャに見せてみるか) アーシャに見せたら取り乱しそうだが アーシャ以外の回復魔法の使い手を知らない それに、私が医療機関に連れていく訳にもいかない 「全く手間のかかる奴だ」 そう一言呟き、急いでアーシャの元に向かうのだった
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