いつから、そこに居るのか

25/41
前へ
/41ページ
次へ
翌朝 (1日安静にしてただけあって回復も早かったな) 自分の体を見ながら思う 傷跡はおおむね無くなり 血が抜けた事による体のだるさが少し残っている程度にまで回復した 「アーシャありがとうな おかげさまでこの通りほぼ全回復だ」 横でぐったりしているアーシャに向けて言う 「お、おー……それは…よかった」 ぐったりしているアーシャ 神経を使ったのだろう 半分死んでいる状態から一日で8割、9割回復させたのだ無理もない 「そういえばディアは?」 「まだ部屋には来てないから 屋根にいるんじゃない?」 ディアにも礼を言わないといけない ディアがいなかったら本当に死んでいたかもしれない ……いや、死んでいる間違えなく 死んでいるかもしれない状況から復帰したとはいえ割と落ち着いている自分が居る (恐らくエゲルに殺されかけた時の方が絶望的だったからだろうな) 心の内であの上位魔族を思い出す 当時に比べれば俺は強くなったと思う だが、エゲルに勝てるか? と言われれば無理だろう なにせ、あいつのステータスが分からない 現状上回っているのか、下回っているのか 確定では無い だが、間違いなく言えるのが 戦闘経験の差が有る それもとてつもない差がある どうすればその差が埋まるのか そんなことを考えつつ屋上に上がる ディアは…… 「おう、元気そうだな」 朝日を見ながら座っていたのだろう 座りながらこちらに振り向き少し笑っている 「暇だったぞ? 夜風に当たるのも悪くないが数時間 ボーッと していると飽きるものだな」 立ち上がりながら話しかけられる 「昨日はありがとう おかげで助かった」 素直に礼を言う 「なに、気にするな 弟子の面倒を見るのも私の役目だ」 朝日を背に、笑うディア ディアに惚れた勇者の気持ちが分かる気がした 2人で今日の予定を立てながら部屋に戻る 部屋に戻るとアーシャが 「2人ともイチャイチャしてて 私は蚊帳の外ですか そうですか 今後フェイル君が怪我してもディアさんに 治してもらえばいいじゃないですか」 と、頬を膨らませていたアーシャ 「そんなことを言うなアーシャ 私では回復魔法をまだ使えないのだ アーシャが居なかったらフェイルは 間違えなく死んでいたんだぞ?」 「そんなこと言われても 2人が屋根の上でイチャイチャしてて 私だけ部屋で疲れてる状況なのに 不満を持たない訳が無いじゃないですか」 と、ディアをポカポカ殴るアーシャ ……ディアは満更でもなさそうである (この2人歳がめちゃくちゃ離れた姉妹みたいだな) 傍から見てる分にはそう見えるが アーシャは本気で怒っていて ディアが大人の余裕を見せている そんな感じだ 「アーシャよ、そろそろ機嫌を治してくれ ないか? 私はお前の朝ごはんを楽しみに夜を 過ごしていたんだぞ?」 そう言われ殴るのを辞めるアーシャ 「む〜〜 ディアさんにそう言われたら 仕方ないですね」 と、頬は膨らんだまま朝ごはんを作りに行った 「ディアはアーシャの扱いが上手いな 俺だったら多分午前中の間は喋らなくなる かもしれない」 「何を言っている 貴様だから喋らなくなるのだ」 ? どういうことだ? 「やれやれ、鈍いなお前」 そう言い残しディアはアーシャを手伝いに行った (いや、普通に機嫌の取り方が上手い下手の話しじゃないのか?) フェイルは頭をかしげながら机の上を整理していた
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加