いつから、そこに居るのか

27/41
前へ
/41ページ
次へ
鈍い音がなる 手応えは……無い 無いと言うより俺の拳が潰れた 「殴りにかかったお前の拳が潰れるとは… 全力は全力らしいな」 顔色1つ変えずディアが話す 拳が潰れた痛みに耐えながら 「な…んで…だ?」 痛みに耐えるので精一杯で思考が回らない 「簡単な事だ、お前はスピードを求め過ぎた 結果としてスピードにパワーが追いついて ない、だから私にダメージを与えるどころ か自らの拳を潰したのだ」 ディアの腹から拳を抜く 「つまり…力が足りないから耐えれないし ダメージが入らないってことか?」 「そういうことだな だから、ステータスをこまめに見ろと 言ったのだ」 ため息混じりにディアが返す それと同時にしゃがみ、俺の拳に治癒魔法をかける 「恐らくだがお前は私との戦闘て 速さに追いつくことしか考えて無かった んじゃないか?」 言われてみればそうかもしれない 今まで何かしらの攻撃が当たったことがなかったからまずは当てることを意識していた 今の状態では当たったとしても痛くも痒くもない状態だろう 「それはそうなんだが 攻撃が当たらなかったら意味無くないか?」 率直な疑問を聞く 「お前の言いたいことは間違えないが 当たってもダメージ入らなかったら 意味ないぞ?」 ……それもそうである 「つまりだな バランスを求めろ こまめにステータスを確認して何が 足りないのか、どこを補えば自分にとって 有利になるのか、そこを考えないことには お前の長所は腐るぞ?」 長所……ステータスが伸び続けること 偏ってしまって、ダメージが与えれないのならステータスが伸びてないのと一緒 「今回俺のステータスが足りてないことは 分かったんだが、ディアに攻撃が 当たらないならどうやって確認すれば 良いんだ?」 「ふむ」 少し考えるディア (5分?経ったか?) 顎に手を添え考えているのは分かる 答えが出ないらしい 「それなら」 急に口を開いた為、少し反応が遅れる 「何回かに1度私がお前の全力を受けよう 毎回は私も嫌だからな」 つまり……サンドバックってこと? 「おい、サンドバック とか思ってるんじゃないだろうな」 (魔族って思考も読めるの?) 「そんな事考えてねぇよ」 「嘘つけ、顔に出てるぞ」 しまった! と思った瞬間 「ほれみろ、分かりやすい奴だな」 カマかけられたのか…… 「修行って〜〜そんなにイチャイチャ するんですか〜〜?」 何処からか声が聞こえてくる 茂みの向こうから声の主が現れる そう……鬼の形相をしたアーシャが 「なんなんですか! 起きて晩御飯の支度して 時間出来たな〜暇だな〜 って見に来たらこれですか! はいはい分かりました! 所詮私は家政婦ですよ!」 ブチギレている (こういう時はディアに…) 焦った顔をしているディア (待て、ディアがこれだともうどうしようも ないぞ?) 「ア、アーシャあのな? ちょっと俺の手が怪我して今治して 貰ってるところだから別にイチャイチャは してないぞ?」 チラッとディアを見ると 首を縦に降っているディア 「だからなんです? そんなに近づいて手まで握って2人で ニコニコしながら話しててイチャイチャ してない? そんな話しが通じると思ってるんですか?」 (やっぱり俺が言ったらダメじゃないか!) そう思いディアに目配せをする 「ア、アーシャすまん 別に他意は無いんだ このバカが怪我をしたから治してやろうと 思って手を持っているだけなんだ」 「ディアさんまで言い訳です? は〜ん、そうですか そんなにやましいことがあるんですか? ふ〜ん…… もう2人共知りません!」 そう言って走り出すアーシャ 「おい、これどうするんだ?」 「私に聞くな……」 とりあえずアーシャを探しに行く事にした
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加