いつから、そこに居るのか

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アーシャを探して初めて数分後 以外に近くに居たのですぐ見つけた 「アーシャ?」 体育座りで黙り込んでいるアーシャの背中に声をかける 「なに?」 「俺バカだからよく分かんねぇからさ 何か思うところが有るんなら直接言って 欲しいんだ 今も何が嫌だったのか分からないんだ」 それに、こんなに不機嫌なのも初めて見る だから、検討もつかない 「別に良いんだよフェイルが誰かと仲良く してるのは…… でも、なんか嫌なの 良いけど、嫌なの」 矛盾しているので余計分からん って言いそうになるが黙る もし言ったら、どうなるか分からない…… 「なら、どうして欲しいんだ?」 「………」 (やばい……ミスったか?) 内心冷や汗をかきつつ、アーシャの次の一言を待つ 「…それなら… 私だけを見ていて欲しい… 無理だと思うでも最後には私の元に 帰ってきて欲しい…」 そこでやっと分かった…… アーシャはどうやら俺の事が好きらしい それも誰にも渡したくない程… (ディアが鈍いって言ってたのはこのことか) 理解した ……そうだとしても 「アーシャ俺は…」 言葉を遮られる 「分かってる… フェイルが私に対してそういう感情を 持ってないことは …だからね…少し時間が欲しいの 私がフェイルの隣にずっと居ても良いって フェイルが決めること でもね? 私としては今すぐ答えを言われたらちょっと 立ち直れないから少し考えて答えを言って 欲しいな」 現状俺と良好な関係を築けているのはアーシャとディアだけ ディアに至っては勇者という旦那が居たのだから俺に対して好意を抱くというのは考えられない 実質アーシャ以外に恋仲になるような人間は居ない だが、俺がアーシャを女性として見ているか? と言われればYESとは言えない 学生時代仲が良かったが、仲が良いだけとしか俺が認識していなかったというのもある だから、少し考えて答えを出して欲しい と、いうことなのだろう 「そうか……分かった というか、アーシャこんなんで良いのか?」 と、俺自身に指を指す 「フェイルは分かってないね… 私はフェイルが良いの」 これまた、ド直球に言われたものだ 「とりあえずディアと合流しよう アーシャを探して今も走り回ってるはずだ」 「…ん」 そう言って2人で立ち上がる 「痛…」 どうやら走っている最中に足を何かで擦りむいたらしい 「回復終わるまで待ってるからちゃんと治し とけよ」 こういう時回復魔法は便利である 俺個人で動いていたら痛みに耐えながら行動をするしかないが、回復魔法を使える人間が居るなら治療をしてから動けば良い 移動する速さも段違いだろう 「……ん」 両手を伸ばしている 「…ん!」 両手を伸ばしながら上目遣いのアーシャさん (えーと……おんぶ?したらいいのか?) 「おんぶってことか?」 「うん!」 「いや、回復魔法使えば……」 「は?」 「すみません……さぁどうぞ!」 屈んで背中を向ける 「うむ、苦しゅうない」 そう言いながら、背中にアーシャが乗ってくる (以外と軽いな) そう思って立ち上がった時 (いや待て、これあんまり良くないぞ?) 背中に確かな感触… そうアーシャの双丘がこれでもかと主張している 「ディアと合流するまでだぞ?」 「うん、分かった さぁ〜レッツゴー!」 (はぁ……さっさと合流しよ…) フェイルは余り気にしないように歩き出すが その思いとは裏腹にアーシャは立派な双丘を押し当てていた 歩き出して少ししたらディアが目の前に現れた と言うより余程全力で走っていたのだろう 目の前に現れたと同時に消えてまた現れた 「おう、2人とも無事だった……」 おんぶしているアーシャを見てディアが固まった 俺からはアーシャの顔が見れない為、言葉だけ掛ける 「おい、合流するまでの約束だろ? 早く降りて治療してくれ」 「は〜〜い」 そう言って降りるアーシャ 「お前…足は……?」 降りたまま立っているアーシャを見て疑問を抱く いや、さっきまで足痛い言うてましたやん 「ふっふっふん〜 フェイル君まだまだだね…… おんぶしてもらってる時に足の怪我は 治したんだ、って痛い!」 聞き終わる前に頭に手刀を落とす 「お前…楽したな?」 「イヤソンナコトナイヨ」 「はぁ……お前達は元気だな」 やれやれと肩をすくめるディア 「それで?続きはどうする? 私はどちらでも構わんぞ」 修行の話しだろうが、今日は一旦切り上げることにする アーシャへの埋め合わせもあるが 何よりも自分のステータスを見るのと 見た上で今後何をするのかを決めなければならない 闇雲にやっていても行き詰まるだけだと思う 「今日は一旦切り上げたい 今後の課題が何かを考える時間が欲しい」 「そういうことなら構わん」 アーシャへの埋め合わせと言えば怒られただろうが あくまで今後の為と言ったのがディア自身としては腑に落ちたのだろう 「そういうことならフェイル 買い物付き合ってくれない? 私も装備の見直しがしたいんだ〜」 (いや、お前装備1つも壊れてないだろ…) 「それは構わないが… お前装備買い直す必要あるのか?」 「そ、それはほら いざという時にあれば便利なものも あるかもじゃん?」 (買う物決まってないのね…) 「そういうことなら私はその辺をウロウロ してくる…気になることもあるしな」 ディアは別行動をとるらしい… 珍しいな? 「別行動をとるなんて珍しいな なんかあったのか?」 「さっき走り回ってる時にちょっとな…… 分かったことがあれば夜また話す 夕飯までには帰るさ」 そう言い残しディアはどこかへ行った 「よし!フェイル! 買い物に行くぞ〜!」 これはどうやっても付き合うしかないようだ 「はいはい、とりあえず装備屋に行くか」 そう返しアーシャと2人で王都に向かって歩き出した
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