いつから、そこに居るのか

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翌朝目を覚ますと部屋は悲惨なことになっていた エリザベートは俺のベッドを占領しており アーシャとディアは仲良く床で寝ており 俺に至っては隅っこで座りながら寝ていたらしく体が凝り固まっている (……風呂入ろ) 足音をなるべく立てないように歩き、脱衣所に着く 服を脱ぎ風呂に入る (ココ最近一人の時間が少ないからこういう時 を大事にしてぇな) 気を抜く暇が無い アーシャを守ること ディアとの訓練 後吸血鬼の始祖…… (何回考えても始祖が居るのおかしくねぇか?) 扉を2つ開けたらそこに始祖が居るのである そもそも始祖がどれ程凄いのか? 言うまでも無いがどの種族であれトップは居る 人類なら王様 魔族なら魔王 エルフなら王様 獣人なら族長、族長を束ねる王 等と、トップは居る だがその種族の始祖、となると話は別である 何せ各種族の王は時代と共に移り代わって居るが始祖は変われない その種族をこれまでの年月生かし、また勢力を衰えさせていない それだけでも凄いことなのだが この長い年月死んでいない又は誰一人として殺せていない という事になる 吸血鬼は歳を取るという概念が無い まぁ、魔王も無いのだが 魔王は人類の手によって殺されている だから魔王はトップが変わる だが吸血鬼の始祖、エリザベートは誰も殺せていない これだけでどれ程、個として優れているかが分かる そんな始祖様が家に居る 調子が狂うのもおかしくは無いだろう 等と一人きりの風呂場で考え事をしていると 脱衣所の扉が開く音がした (?アーシャか?) 「アーシャすまん、今入ってるから 風呂に入りたいなら少し待ってくれ」 と、声をかけ風呂から出ようとすると扉が空いた 「うげっ」 扉の前にいたのはエリザベート しかも全裸である 「俺今入ってるって言ったよな?」 全裸で立っているエリザベートに念を押して聞く 「なんじゃ?私が入ったら不都合でも あるのか?」 そう言いながら風呂場に入ってくる 「こんなとこアーシャに見られたら俺殺され るんだぞ!」 声を殺しながらも、少し強めの口調で言う すると 「……ほほぅ……そうか…… 私の裸を見て欲情した、お前が私と風呂場 でいかがわしい行為をしたと そう思われるのが嫌なのじゃな?」 そう言いながらエリザベートは足を絡ませてくる 「おい!まじで冗談じゃ済まな」 「良いではないか…… オスとして色んなメスの味を知っておくの も嗜みの1つではないか?」 そう言いながら今度は胸の辺りを手で触ってくる その手が徐々に下がって行き下腹部辺りを指の腹で撫でる 「どうじゃ? 少しはその気になったか?」 今度は顔を近ずけてくる 無駄に整った顔が今となっては凶器 残った理性がけたたましい警報を鳴らしているが無視して手を伸ばそうとした時 「エリその辺にしとけ」 ディアの声がする 「アーシャが怒ったら手がつけられん それに、まだ若い乙女の心を弄ぶのは 私としても気に入らん」 バッサリと切る だが 「なに、ディアちゃんももしかして 気に入ったオス取られそうで嫌なの?」 エリザベートの口角がニヤァと上がる 「おい、まじでやめろ アーシャが起きたらタダじゃすま」 「私が起きたらどうなるんですか?」 と後ろから声が聞こえる 「ま、待てアーシャ今回は私もフェィルも 悪くないぞ、エリが1人で勝手に始めたんだ」 慌てるディアを見るのは珍しいが前回アーシャが森で走って逃げた時1番焦っていたのはディアだ、今回は王都だから特に命に関わることは無いと思うがもし逃げ出した時探し回れるのが俺一人しかいない なるべく穏便に済ませたいのだろう…… 俺としてもその方が助かる 「なんじゃ私1人悪者か…… 私はただ、こやつから血を少し貰おうと 思っておっただけじゃぞ?」 (嘘つけ!お前絶対そんな事目的じゃなかっただろ) 心で思って 「嘘では無い まぁ……少し面白かったのは認めるがのぉ?」 ?心読めんの? 「そういうことなら私から血をあげます 男より女の方が美味しいんでしょ?」 「それはそれぞれの好みじゃ…… じゃが、生娘の血なら美味い かもしれんのぉ」 そう言って絡めていた足を解いて アーシャに歩み寄る 「少し痛いかもしれんが我慢しておくれ」 そう言って首筋を舐める それはもうねっとりと エリザベートの唾液をアーシャの首筋に馴染ませるように舐める そして、かぷっと牙を立てて血を吸う アーシャは牙で皮膚を破られた時少しビクッとしたが後は大人しくしていた エリザベートが口を離しアーシャの首筋に血が少し垂れる 「……まず……」 口を離し少し経ってからエリザベートが呟いた というより我慢出来なかったのだろう 「ひ、人の血を吸っておいてその言い草は 無いんじゃないんですか?!」 半ギレのアーシャ……ご最もである 「いや、すまん 我慢出来ると思ってたが無理だった」 普通に無理と言われ落ち込むアーシャ 「お前そろそろ風呂から出たらどうだ? 今のうちに出たら無かったことになるかも しれんぞ?」 ディアに言われて我に返る そして慌てて風呂から出て脱衣所を飛び越えて部屋で体を拭くことにした (なんで俺の部屋なのに俺が1番肩身狭いんだよ) と、思いため息をつく 扉2つ向こうではディアとエリザベートが仲良くお風呂に入っており、アーシャはまだ不味いと言われたことから立ち直れないで居た
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