いつから、そこに居るのか

5/41
前へ
/41ページ
次へ
「それにしてもついてないよね〜寄りにも よってエゲルに目を付けられるなんてさ〜」 口調も軽くこちらを見ていない だが、まるで隙が無い それとも隙はあるが、俺たちが隙として認識出来ていないのか…強さに差があり過ぎる 「ディアとか言ったな、目的はなんだ? なぜ剣の中に居る」 眼球だけこちらに向け口元を歪める 「まぁ、安心しなよ そのカタナが形を保ってる限り私は人間を 殺せない 目的…目的か、そうだな 楽しめればそれで良いというのが私だな」 (的を得ないことしか言わないが、それよりも) 「カタナとはなんだ?」 ポカーンと口を開けてこちらを見る魔族 「お前、自分の手にしてる武器の名前も知ら ず、使おうとしていたのか? あはははははははははぁ お前バカだな!」 盛大にバカにされた 「使いやそう位でしか選んでないからな」 「使いやすそう…まぁ、慣れたらそうかもな」 「とりあえず、俺たちに危害は加えないんだ な?」 「加えないというより、加えれないだな 要は封印されてるんだ私、その中に 具現化するのも力を使うことも出来るが 人間だけ殺せないように封印されてある それで、お前たちは何をしているんだ? エゲルに襲われて岩陰でイチャイチャ してたのかい?」 アーシャの顔が赤くなる、真っ赤である 「俺が瀕死だったからアーシャに治して 貰ってたところだ」 今度はアーシャが激しく首を縦に振っている …こいつ本当に元気だな 「あ〜なるほどね〜 まぁ、エゲルの一撃受けて死なないだけ 優秀なんじゃない? あいつ、魔物を一捻りだから玩具探してる と思うし それにオスの方はかなり見込みが有る だが何故だ?なんで ”スキルが使えてない?”」 寒気が走る (なぜ俺のスキルが使えないことをスキルが発現してないことを知ってる?いや、今知ったのか?) 「あ、隠しても無駄だよ 私には見えてるから、私というより一部の 魔族には、か」 「分からない幼少期からずっと??のままだ 簡単に言えばスキルを俺は18年間1度も 使った事がない」 ディアの目が細くなる 「ちょ、ちょっと待ってよフェイル 貴方、それ本気で言ってるの?」 「あー、俺もどうやったらスキルが発現する のか分かんねぇんだ」 「なら、なぜそんなにステータスが高い? お前たちで言うところのエアフォルク とやらはしてないのだろう?」 「人類に詳しいのか?」 「詳しいも何も私を封印したのは勇者だぞ? それなりに物事は聞いた」 「はっ?」 いや、待て落ち着け 勇者?こいつ今勇者って言ったか? 「私も嫌だとは言ったんだかな、どうしても って聞かなくて ブチ切れて殺しにかかったら、半殺しに されて刀の中って訳さ」 あいつは強かったね〜、もう60年ぐらい前か〜 とディア 勇者はこいつに勝てるのか…いや当たり前か 魔王を倒せるのだ、上位の魔族等余裕だろう 「話を戻すぞ?人間なぜお前はそんなに ステータスが高い? 常人で辿り着くにはおかしい領域に貴様 は居るのだぞ?」 「……分からない」 「は?」 「分からないんだよ、俺も 昔からステータスが上昇し続けているんだ この3年間はあまり伸びなかったが 3年前は体感で分かる位には伸びてた」 さらに目を細めるディア 「スキルの効果の恩恵?いやメインスキル では無くサブ能力なのか? そうか、それなら説明がつくな」 何やらブツブツ言っている 「おい人間」 「なんだよ」 「貴様、3年間はあまり伸びなかった と言っていたな それより前は何をしていた?」 「対人で訓練だ」 「なるほど…………… おい、メスこいつの傷を治せ 試したいことが有る」 「わ、分かりました」 と急ぐアーシャ 順応能力○ である 「何をするつもりだ」 「言っただろ?試したいことが有る 大丈夫死んだりはしないからな」 「はい、8割ぐらいは回復したと思う」 「オス立て」 言われるがまま立つ 「構えろ」 ? 「早く構えろ」 カタナを構える 「行くぞ」 殴られた と思う 見えない 岩陰に亀裂がはしる 「おい、反撃してこい、貴様ごときでは私 は死なない」 言われるがままに剣を振る かすりもしない 続けて足を狙う 躱される その流れで次に上から下にカタナを振り下ろす 指2本で摘まれる やばい! と武器を手放してしまった ディアの拳が腹に来る 直撃は免れたが軽く拳が腹にめり込んだ まともには当たってないがそれでも胃の中の物が出そうになる 「ふむ…メス回復魔法」 「こ、こんなことしてたらフェイルが 死んじゃうよ」 涙を目の端に浮かべて答えるアーシャ 「··········はぁ、なら終わりだ どの道回復魔法はかけろ」 アーシャが駆け寄って来る 「だ、大丈夫?フェイル今治すからね」 (何がしたいんだこいつは·····) じっと、こちらを見つめてくるディア 「やはりか」 納得のいく結果が得られたのかディアは凄く楽しそうである 「おい、オスお前のスキルが何かまでは 分からないが、サブ効果が有り その効果が大体分かったぞ 戦闘前よりステータスが上昇している 恐らくだがお前のスキルのサブ効果は 経験として得た物がステータスに反映 される類のものだ」 は? いや、え? 「つまり、強いヤツと戦えば戦うほど お前は強くなる 喜べ私がお前と遊んでやる 貴様の上限が見たくなった」 1人でニヤニヤと笑うディア と 口が塞がらない俺とアーシャ 「おい、聞いてるのか?」 「ま、待ってくれそんな根拠も無いことを」 「根拠は無いが、今までの話を元に仮説 を立てた 3年間伸び悩んだこと 3年前は順調にステータスが上昇していた こと 3年前と学校に通っているであろう期間 との差 つまりお前は、3年前に対人訓練を受けてい る時は自分よりも相手が強い為成長したが 学校に入ると実力が拮抗する、あるいは お前の方が高い為ろくにステータスが 伸びなかった ってところだな」 「言っていることは理解できるが 本当にそうなのか?」 「本当も何も、さっきよりステータス若干 上がってるぞ?分からないのか?」 スキルが使えないことを見破られた為 嘘を言っている可能性は限りなく低い 「いや〜封印されてる間、外のことは全く 知らなかったが、久々に出てきたら 面白いものを見れて私は嬉しいぞ」 そういえば 「ディア」 今度は分かった 思いっきり蹴られた 「呼び捨てにするな人間、お前など片手間に 殺せるのだぞ?」 今は無理だがな〜と笑っている 「ディア·····さん」 渋々、敬称をつける 「なんだ?人間」 「封印されてる間のことは知らないのか?」 「あー、何も知らん なんなら封印されて初めて外に出たしな」 なら、魔王が復活したことは言わない方が良いだろう 復活したと知れば、どうするか分からない 「勇者は死んだかなり前に」 少し悲しそうな顔をするディア そんな彼女に少し見惚れてしまった 「あー、そうだね 仕方ないことだ、あいつは人間 私は魔族どう足掻いても時間には勝てない」 そう言うとディアは元の少し小馬鹿にした顔に戻った 「さて、人間これからどうする? 私としては、久々の外だもう少し体を 動かして、この怠い感じをどうにかしたい」 「いや、俺たちにもやることは有る 明日の朝からリベリアという街を目指す」 少しムッとした顔をするディア 「そこに何をしに行くのだ? まさか散歩じゃあるまいな?」 「いや、エアフォルクした人間を迎えに行く」 ほほうと少し悪巧みしてる顔 ··········こいつ顔に出すぎじゃないか? 「良かろう、私も連れていけ 多少の暇つぶしにはなるだろうしな」 「連れて行かないって言ったら 暴れるだろお前」 今度は殴られた 「もう一度言うぞ人間片手間に殺すぞ?」 「悪かったな」 と鼻血を拭う 「アーシャ、準備しよう明日の朝には出るぞ いつさっきの訳の分からん魔族が来るか 分からないからな」 「う、うん!」 「あー、その心配はないと思うぞ?」 「何故だ?」 「まぁ、街に着けば分かるさ」 と怪しい笑みを浮かべるディア 俺とアーシャは荷造りを終え、ディアはカタナに戻って行った 着いたら呼べとの事だ こんな感じで王都を出て3日目が終わった
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加