いつから、そこに居るのか

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リベリアを目指しながら魔物を狩る 魔物と魔族を比べるのは良くないが めちゃくちゃ楽である もう、目を閉じてても勝てそうなぐらい弱い そのことを内心嬉しく思いながら進む (まぁ、魔族が化け物過ぎるしなんならそれを2体見た後だと普通の魔物がただの置物に見えるのもしょうがないか) リベリアまで後半日と言ったところで1度野営をする事にした もう日も暮れ始め夜中に山道を下るのは危ないし俺の傷もまだ完治していないという理由である (まぁ、どっかの魔族が暇さえあれば戦闘練習と称してボコボコにしてくるからなんだが) 溜息をつきつつ寝床の準備をしていると 「フェイル〜ご飯出来たよ〜」 晩飯担当はアーシャ 俺が寝床と明日の分の飲水の確保 と分担している 「もう少ししたら行くから先食べててくれ」 「あいよー」 アーシャの飯は割と美味い 野営の調理器具でこの美味さなら、まともな調理器具があれば更に美味い飯を作れそうだと何時も思っている 寝床の準備を完了してアーシャの元に戻る 「なんで、お前が食ってんだよ」 「なんだ、文句でもあるのか? 私に一撃入れてから言いに来い」 俺の飯をディアが食べている 「そもそも魔族は飯食わないといけないの か?」 「当たり前だ 我々魔族も普通に食事はする だが、栄養が取れれば良いという考えが 一般的でな、美味しさとかに興味を持つ 者が極端に少ないんだよ」 なるほど、だからこいつは飯を食ってる時こんなにも楽しそうなのか 「いやー、人間の作る食事はどれも美味しい な、おいメス貴様名はなんと言う?」 「あ、アーシャです」 「そうか、アーシャと言うのか これ程美味しい食事を作るのだ名前ぐらい 覚えといてやろう」 「あ、ありがとうございます!」 なんで、こいつは名前覚えられただけでこんなに嬉しそうなんだ? 大体ディアは魔族だそこまで仲良くする必要も無いしなんなら今のうちに殺した方が合理的である 「いや〜美味しかった」 「おい、全部食うんじゃねえよ」 「あ、フェイルの分も有るよ」 今日の晩飯を食いそびれたと思いちょっと頭に来たが、俺の分はちゃんと確保されているらしい 「いや〜何時食べても人間の食事は本当に 美味しいな」 「何時食べてもって、アーシャの飯食ったの 今日が初めてだろ」 「何を言っている、私は今人間 と言ったでろう?」 ? 頭に?を浮かべていると 「鈍いヤツめ、私は80年前から人間の食事を 食べている」 「でも、勇者に封印されたって言ってなか ったか?」 「それは60年前だ 20年間は人間社会に居たのだよ私は」 こんな化け物が20年間も? なぜ周囲の人間は気づかなかったんだ? いや、そんなことよりも魔王が討伐された後に そんな自由な行動が出来るのか? ディアに対する疑問が多すぎる 「まぁその20年間は、人間を殺したりして いないから安心しろ と言うより、殺せなかったが正しいか」 「何故だ?お前ほど強ければ街の1つ2つ 潰すことも簡単だろ?」 少し目を細めるディア 「まぁ、呼び方に関しては今回は許してやる 美味しい食事の余韻に免じでな 簡単かと言えば簡単だが、状況的に無理だ 横にはほぼ常に勇者が居たからな 何か悪さしようとしたら未然に止めてくる のだ、あいつ未来でも見えてるんじゃない かと思ったよ 」 そういえば、勇者にカタナに封印されたとか言ってたな ?待てディアは2 0年間も勇者と居たのか? 「それなら、20年間も勇者と居たのか?」 「そんな訳ないだろ」 「流石にか」 「あいつと私は魔王を討伐する前からの仲 だし、なんなら魔王討伐にも私は 助力したのだぞ? 公にはなってないと思うがな」 「ちょっと待ってくれ、どういうことだ? なぜ魔族が魔王討伐に助力なんてしたんだ そもそも、自分の王を殺すなんて考えられ ない」 「まぁ、人間の感覚では分からないだろうな ·····そうだな、昔話をしよう」
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