特別な存在でなくても、自分の力でチート能力を身につける!

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きたのは高等学校の、誰もいない一室。雨は降っていないが、曇ってジメジメしているため居心地は悪い。 …話を聞いているが、多分どれもデタラメだ。ヤバい幽霊?超常現象?都市伝説?そんなもの、ないに決まっているだろう!もしあったとしても、怖いとは微塵も感じないな。何故なら、俺は「冥界の守護者」なのだから! そんなことも分からない周りの一般人諸君からは、平凡な高校生、いや変人だと勘違いされる。 まあ俺は正体を表していないから分からないのは当然か! 次の話題は転生がどうとか…みたいな話だ。 まあ俺には関係のない話だがな。転生などしなくてもこの世界の頂点に立てる実力があるからだ!多分。仮に転生したとしても、俺の本来の力によって世界の均衡が崩れてしまうからな! 「そうだ、君は知ってるんじゃない?本当に転生するのか、とか!」 「確かに〜。見た目的に厨二病だもんね〜。知ってるかも」 おい一般人AとB。また俺を病気呼ばわりしたな?まあ良い。転生するのかについてだが…、知らないに決まっているだろう!そんなの死んでみないと分からないじゃないか! …いや待て、そんなことを言ったら俺がただの一般人だと思われるんじゃないか?それは屈辱だ! 「…。」 「んー?」 「…。」 どうだ!俺の答え、それは「何も答えない」ことだ!そうすれば、俺が知っているのか分からないはず! 「…知らないみたいだね」 「なーんだ。あんまり頼りにならないじゃん」 何故バレた!?俺は何も言っていないはずだが!? 「…は!?死んだら転生するに決まっているだろう!」 つい口に出てしまった。でも死んでみないと分からないのだからどうでもいいじゃないか! 「ふーん?そうなんだ」 「本当なのかな?」 「さあ?確かめてみる?」 「えー?どうやってー?」 「簡単だよ!彼が死ねばいいの」 「なるほどねー!」 おい、ちょっと待て。なんだその会話は…? …やはり、友人の言っていることは当たっていたのか…! いや落ち着け、俺は冥界の守護者。そんなことができるはずがッ…!? 「え……?」 「あー、意外と脆かったね。普通だった。冥界の何とかで特別な存在だ〜とか言ってた割に」 「ね。私たちの能力とか実力とかにも気付かなかったみたいだし。だったら彼の友人の方が面白かったかも。少し勘づいていたっぽいからね〜」 「「残念だったな〜」」 視界が暗くなる前の最後に俺が聞きとることができた声は、それだけだった。 その後、教室。 「ん?何これ」 「あ、本当だ。何だろう?さっきまで無かったよね」 いつの間にか、2人のすぐ近くに小さくて丸い何かがあった。 『私の責任もあるけど、さすがにやりすぎ』 声が聞こえたその瞬間。その丸い何かから、眩い光が発生した。 「「ギャッ…」」 ……そこには、2人がいた形跡すらも残っていなかった。
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