特別な存在でなくても、自分の力でチート能力を身につける!

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「あ、そうじゃ。わしのことを「師匠」と呼んでくれ。その方が雰囲気がでるからの。あと敬語をやめてくれんかの」 「分かった、師匠」 俺は、ホウソ改め師匠から体術を教わることになった。 今の俺は、特別な能力がない。強いて言えば「弱すぎる」ということが特別か。だが!「弱い」という称号がついてるのは絶対に嫌だ。だから、前の世界と比べ物にならないくらい頑張るのだ!そして自分の力で特別な存在になり、元の世界に戻ったらみんなを見返してやるんだ!特に、変人やら病気やら言っていた人たちに。 ……その前に、制服だと動きづらいということで師匠が用意してくれた服に着替えた。 想像以上に過酷だった。この世界では「基本」が、俺が見た感じアスリートレベルだったのだ。型などがあるわけではなく、急に実践に入ることになったのも原因かもしれない。 今やっているのは、なぜか地面にあるウニ(ガンガゼ(毒のあるトゲトゲしたやつ))みたいなやつを拾う練習…だ。師匠は一発で拾ったのだが、何故か俺がやろうとするとウニが逃げる。俺の全力疾走と同じくらいの速度で。ただでさえすごくトゲトゲしてて拾いづらいのに。 そしてチート能力のない俺が急にやってできる筈もなく。 「要領が悪いのう。ウニを拾うこともできんとは、よく今まで生きてこれたな」 「要領が悪い、と言われても!?」 こんなことやったことがない、できるかこんなこと…、と言いそうになった。だけど、自分の力で特別な存在になりたいと、決意したんだ。早くできるようにならなければ! …というか、やっぱりウニだったんだ。 何故陸にウニがいて、しかもそれが速く動くのかを師匠に尋ねたら、「普通にいるだろ…」みたいな顔をされた。前の世界の常識は通じないらしい。
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