彩る季節

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春だね。まだ少し寒いけど、そんな春だって君が暖かくしてくれる。春は旅立ちの季節、でも旅立ちがあるってことは出会いもあると思うんだ。辛い、不安、楽しみ、喜び、そんな思いが渦巻く季節で、今僕は君が何よりも愛しい。 君が僕の名前を呼ぶ。君が僕を抱きしめる。それが僕の春の全てを彩るんだよ。 だから今は泣かないでおくれよ…君が泣いたら僕も悲しいんだよ。 いつもみたいに笑う君を見たいんだよ。 見たいよ。見たい。君のその整った顔を、君の笑った時に出るえくぼを。その優しさを感じたいよ… だけど、それはもう無理みたい。目は開かない癖に、なんでか耳だけ確かに聞こえるんだ。せっかく君の声を聞けると思って喜んだのに、君はずっと泣いてるじゃん。
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