1人が本棚に入れています
本棚に追加
本社へ帰還
そして収録終了後、ホテルの自室に戻った。
2泊3日でホテルを取ったが、取材は1日で終わってしまった。
回顧録を書くというので、河部という人物が有名な人物で、多くの経験を持っているものだと思っていたが、その予想は外れていた。
彼は全く有名人ではないし、15歳なので人生の経験も薄い。
なので、収録もすぐに終わってしまったのだ。
その後、残りの日数は適当に遊び、本社へ帰還した。
春山「失礼します。」
社長「おぉ、友也。回顧録の取材は終わったのか?」
春山「はい、終わりました。ただ、何故彼の回顧録を書く必要があるのか、ずっと疑問に思っているんです。」
社長「あぁ、彼は私の友達の息子なんだよ。彼自身はただの一般人と言っても差し支えがない。なんで友也に河部くんの回顧録を書かせたのか。それは、あくまでも今回は練習だったのだよ。」
春山「練習?」
社長「そうだ。これから君は河部の回顧録の内容を本に書き上げて、うちの出版社で出版することになるだろう。それでちゃんと回顧録が出来上がっていたら、今後はもっと有名な人物の回顧録を君に書かせる。そう、君を回顧録専門のプロに育てていきたいんだよ。」
春山「何故回顧録なんですか?」
社長「この世界には多くの成功者がいる。しかし、それに見合った数の回顧録が出版されていないのが現状だ。成功者が何故成功したのか、そして、そのような人物がどのように人生を送ったのか。そういうのに興味がある読者は非常に多いんだ。だからこそ、うちの社は回顧録の出版に力を入れることにしたんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!