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実際に、同じ部署の人に聞き回ってみたが、誰も河部の詳細を知らなかった。
ネットでも河部と検索してみたが、河部だけだとヒットする情報が多すぎて当てにならない。
電話番号でも検索をかけてみたが、電話帳のようなサイトしかヒットしなかったため、結局河部が何者なのかは分からなかった。
仕方がないので、今書いてる記事を書き終わらせてから、河部に電話をすることにした。
春山「もしもし、ND通信社会部記者の春山友也と申しますが、」
河部「あー、はい、何の要件ですか?」
春山「河部さんでお間違いありませんか?」
河部「はい、そうです。」
春山「ありがとうございます。NP通信で河部さんの回顧録の執筆を私が担当することになりましたので、聞き取りを行える日時を指定してもらえると助かります。」
河部「え、回顧録って何ですか?」
春山「回顧録というのは、その人の人生を振り返る本の事です。」
河部「なるほど、何で私の回顧録を執筆するんですか?」
春山「ND通信の春山俊介社長が河部さんの回顧録を書いてほしいと申しておりまして...」
河部「え、春山さんが!?いや、あなたも同じ名字でしたね...」
春山「はは、そうですね(笑)」
河部「わかりました、じゃあ明後日の2時からでお願いします。」
春山「了解しました。場所はどこを希望されますか?」
河部「じゃあ岡山県津山市のイオンモールにあるスタバでお願いします。」
春山「はい、わかりました。では明後日の14時からよろしくお願いします。」
こうして電話が終わったが、河部はなんと東京ではなく岡山県にいるらしい。
なので、まず上司に明後日から3日間出張するという事を伝え、その後飛行機やホテルの予約を急いで行った。
場所は岡山県津山市という辺境地帯。
河部という全てが謎に包まれた人物に聞き取りを行う。
そう考えていると、不安とドキドキと使命感を感じずにはいられなかった。
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