1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
河部を取り巻く闇
春山「家庭環境をお聞きします。河部さんの家には誰が住んでいますか。」
河部「俺と、弟と妹、そして父と母です。」
春山「兄弟とは仲がいいですか。」
河部「仲は悪くはないです。それに、兄弟は俺よりもモテてるし、頭もいい。羨ましいです。」
春山「両親との仲はどうですか。」
河部「仲は悪くないです。ただ、母親は嫌いです。一緒に買い物に行ったらギャーギャー喚き散らすし、イベントとかで俺がどこか行く時も絶対ついてくるんです。正直、大人になったらさっさと一人暮らしをしたいです。」
春山「河部さんは嫌なことばかりなのですか。」
河部「そうです。何をやっても上手くいかない。学校も家も嫌な環境だし、交流や恋愛、勉強に挑戦してみても全部失敗するんですよ。正直、死にたいと思ってます。」
この人物、非常に過酷な闇に囚われているようだ...
春山「幼稚園か保育園、どちらに通いましたか。」
河部「津山東幼稚園という所です。幼稚園の事はほぼ何も覚えていません。」
春山「小学校の事について教えてください。」
河部「林田小学校です。あの頃はまだ楽しかったです。まさに、陽キャって感じでした。」
春山「中学校では何かあったのですか。」
河部「俺が通った中学校は津山東中学校です。あそこは悪名高い中学校で、先生によるセクハラや生徒同士のいじめなど、いろんなスキャンダルで溢れていて、あの中学校を破壊しようとする政治家もいるくらいでした。俺もあの中学校では暴力を受けたり、先生にしょっちゅう叱られたり、仲間外れにされたりなど、被害者の一人でした。でも、中学3年になるまでは、あの学校の異常性には気付けていなかった。あれが当たり前だと思っていたんです。」
最初のコメントを投稿しよう!