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本社にて
大手通信メーカー「NNN.D」の傘下に属するメディア・コングロマリットである「ND通信」。
僕はそのND通信に3年間勤務している記者、春山友也だ。
僕は社会部の記者として、事件取材を主に担当としてきた。
しかし、まだ入社3年目というのもあって、テレビでもあまり報道されないようなマイナーな事件にばかり回されていた。
2024年3月19日、今日は東京都八王子で起きたひき逃げ事件について、被害者や家族への聞き込みが終わったため、それに関しての記事を書いていた。
この事件は、ひき逃げ犯が犯行後に消息不明となったため、面白い案件になるかと思っていたが、取材中にひき逃げ犯が逮捕されてしまった。
まあすぐに逮捕されるのが一番平和で良いが、平和では事件取材が成り立たないのだ。
そして記事が書き終わりそうなタイミングで、上司が近づいて来た。
上司「春山、社長からの通達だ。」
そう言って僕に手渡して来たのは、手紙だった。
封を開けると、そこには
「河部という人物に取材を行い、河部の回顧録を執筆してほしい。」
という内容が書かれていた。
そして、その下には河部という人物の携帯の電話番号が書かれていた。
河部とは誰だろう...と思って上司に聞いてみると、
上司「あぁ、河部はPoints(ND通信の親会社であるNNN.Dの諜報機関)の開示した情報によると、うちの会社の社長が目をつけている人物だ。」
と言っていた。
同僚にも河部について聞いてみたが、同じ事を言っていた。
そこで、河部の詳細について聞いてみたが、河部の詳細は誰も知らないと言う。
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