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とある賢者の執着愛ーー貴女を他の誰かに取られるくらいなら
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ブラッドリー家が所有するダイヤモンドには祝福と呪いが宿ると言われている。
まず祝福とは子孫繁栄。ブラッドリー家の特に女性はたぐいまれなる容姿を授かり、時の権力者から引く手数多。
七代目当主にあたるオリヴィアもその恩恵を受け、隣国へ嫁ぐはずだった。
ーーはすだった、つまり婚約は破棄された。オリヴィアと王子の結婚を妨げたのが、ブラッドリー家へ掛けられた呪い。
子孫繁栄繁栄の祝福と対を成す呪い、それはブラッドリー家がダイヤモンドを手にする際に交わした契約で、内容はこう記される。
“ブラッドリー家に左右の目で虹彩の色が異なる娘が生まれたなら、それは賢者の花嫁の証。賢者の花嫁を娶ろうとすれば災いが起こるだろう”
今から約半月前の事、オリヴィアの左目が突如赤く染まる。奇しくも賢者メルキオールの生誕祭を行う最中で、約百年振りに思し召しが現れたのだと騒ぎは継続中だ。
このお話は賢者の花嫁として捧げられるオリヴィア・ブラッドリーの物語である。
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