9人が本棚に入れています
本棚に追加
「岸野くん、おはよう。よく眠れた?」
翌朝8時。
半分寝ぼけたまま起き出し
パジャマ姿でリビングに入ると、
彼と母親がダイニングテーブルにつき、
コーヒーを飲みながら談笑していた。
「‥‥おはようございます」
「ふふ、そんなに警戒しないで。
今日は休みを取ったから、岸野くんと
ドライブに行こうと思って」
「ドライブ、ですか」
「その前に、朝ごはんできてるって。
食べたらすぐ支度して。手伝うし。
俺と楽しく出かけようよ」
彼の笑顔に触れ、何かを思い出しかけた。
『日本に帰ったら、俺といっぱい』
‥‥何をいっぱい?
途端、頭が痛くなり、慌てて打ち消した。
最初のコメントを投稿しよう!