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彼に肩を抱かれ、半ば強引に自宅を出た。
「近くのコインパーキングに車、停めてる。
ゆっくり歩こう。大丈夫?」
駐車場に着き、
助手席のドアを開けてくれた優しい彼に
お礼を言って、おとなしく乗り込んだ。
「あの、」
「何」
車のエンジン音。
「どこに連れて行かれるんですか、俺」
「着いてからじゃダメかな」
「‥‥寝てでもいいですか。疲れてるんです」
「いいよ。着いたら起こすから」
座席のリクライニングを動かし、
身を預けた俺は静かに目を閉じた。
「岸野くん、着いたよ」
彼に肩を揺さぶられ、目を開けると。
そこはどこかの家の駐車場だった。
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