君と、サクラ

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「お前、アカンだろ!」 室谷にしては結構強めに怒ってきた。 それは見せかけの怒りとか、バレたら自分が他の先生から叱られるとか、そんな類いの怒りでない事は目を見ればわかる。 心の底から心配してるのだ。 「ごめんなさい・・・・」 私は小さくそう言って、席を立った。 お弁当箱を包んでいる布の端をギュ、と指で掴む。 せっかく室谷と一緒にお昼食べようと思ったのにな・・・・。 私はそれから何も言えずにカウンセラー室を出た。 その足で学校の屋上へ向かった。
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