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夜が明けた。
こんなに朝を待ち望んだことが、これまであっただろうか。
シホはかさかさに乾いた唇をペロリと舌で湿らせて、愛猫トアに目を向ける。トアは恨めしそうな目でシホを見上げている。
「トア、やりとげたで」
シホの言葉を明確に理解したトアは、半開きだった目を大きく見開き、一際大きな口を開け、ニョア~と歓喜の声を上げた。
これは、一人と一匹が、共に苦難を乗り越え、絆を深めることとなる一夜の物語である。
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