24人が本棚に入れています
本棚に追加
隠密作戦1
ハルセに勉強会延期のメールを送ったソウタは、グランドにある体育倉庫で掃除をさせられていた。
「くそっ、あの教師め」
「おい、掃除で成績上げてやるって言ってんだ、逆に感謝しろばか」
放課後になって帰ろうとした所に体育教師が来てソウタに体育倉庫の掃除を頼んできたのだ。もちろん誰がするかと却下して帰ろうと思ったが、体育教師に
『このままじゃ成績まずいんだろ?やってくれたら、少しぐらいおまけしてやるよ』なんて言われたら、やらない訳にはいかなくなったのが数分前の出来事だ
「ったく、掃除しろって言われても汚すぎんだろ。砂だらけ、埃だらけ、今日で終わんのかよ、、」
「別に明日もやっていいぞ」
「、、、」
「、、分かったって、ある程度でいいから。俺は一旦職員室戻るけどすぐ戻ってくるからちゃんと掃除してろよ」
「はぁ、サボってた俺を恨みそうだ」
ため息をつきながら、とりあえず砂を外に出そうとほうきをもって掃きだした。
そんなソウタを陰から覗く竜がいた。
「あいつ、本当に用事があったのか」
たまたま噛み合あったメールの内容が本当だったと知ったハルセは、木の陰からソウタが体育倉庫に入って行くのをこっそりと盗み見ていた
(別に気になる人がいると思ったのは俺の勘違いか、、よかった。たまたまを装って手伝いに行こうか、いや昨日のこともあるし俺が行くとやっぱりきまづくなるか、だが二人きりで掃除したい)
木の陰でホッと安心したハルセは、会いに行こうか、このまま帰るか悩んでいた
(くそっ、どうするか、、ん?誰だ倉庫に近づくあいつ、手に持ってるの、、手紙か?)
ハルセが悩んでいる間に、倉庫を訪れてきたのは猫獣人の男だった。倉庫に入った猫獣人は背を向けて掃除をしているソウタに声を掛けた
「あの、」
「ん?なんだよ。なんか取りに来たのか?」
「違います」
「じゃあ、なんだよ」
「僕、実は、、、、」
猫獣人が入った後、中の様子が分からないハルセは焦っていた。
(中で何を話しているんだ。持ってた手紙まさか、、ラブレターじゃないだろうな!?なんかいい感じの雰囲気なってあんなことやそんなことしてるんじゃないだろうな!?)
ハルセの心は完全に平静さを失い、今すぐ飛び込んでやろかと思っていたが、猫獣人は以外にもすぐに出てきた。しかしその手にはもう手紙を持っていなかった
(あの猫今すぐ捕まえて何したか吐かせてやろか)
ハルセはそう思いながら力を入れすぎて震えている握りこぶしが胸の前に出ていた
最初のコメントを投稿しよう!