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学校に着くと、いつもならソウタとすれ違ったりするのだがこの日は運悪く一度も顔を見ることなく昼休みになっていた。朝の元気の無さも気になって顔ぐらい見たかったハルセは昼休みになってソウタのクラスも見に行ったが用事があると言って出ていったとナオヤから聞いた。仕方がないと要らん仕事も溜まってるし仕事しながら昼ご飯を食べようと思って弁当を持って立った時にライキが俺に声を掛けた
「会長どこか行くんですか?」
「仕事が溜まってて少しでもやらないといけないから、会長室で食べようと思って」
「大変そうですね、手伝いましょうか?」
「いや、俺のせいだから自分でやるよ。昼休みぐらいゆっくりしてくれ」
「そうですか、、なら放課後は手伝いますよ」
「ありがとう、あっそうだ、ソウタがどっかいったらしくて恋人が一人でご飯食べてたぞ、一緒に食べたらどうだ?」
「そうなんですか?なら一言言ってくれたらいいのに。ありがとうございます。行ってきます」
「あぁ」
「、、そっちいいんですか?会いに行かなくて」
「行きたくても場所が分からないんだ」
そう言ってハルセは弁当を持って教室を出た。
「、、電話したらいい話じゃね?」
ライキはまぁいいかと一人寂しくご飯を食べている恋人の元に向かった
ーーーーーーー
会長室に向かうハルセは相変わらず昨日と今朝のソウタのことが気になっていた。このままじゃ今日も眠れそうにないなと思いながら、窓から外を歩く人物が目に入った
「ソウタ?それにあれは、」
ソウタのさらに前を歩いてるのは昨日ソウタに会っていた兎獣人ともう一人は知らないサイ獣人の二人だった
「まさかプロポーズじゃないだろうな?!」
ハルセは慌てて廊下を走って階段を降りて外に向かった。歩いていく三人の姿を見つけると、見つからないように物陰に隠れながら三人の後を追っていく。黙ったまま歩いていく三人が立ち止まったのは昨日の体育倉庫だった。しかし鍵がかかっていて開いておらず、三人は倉庫の裏に回った。ハルセは声が聞けるほど近づけず、三人の動きしか分からなかった
「ここなら誰も来ない。それでどういこと?」
「、、さっき話した通りだ」
「それじゃあ分からないから聞いてるの!」
兎獣人は振り返ってソウタを睨んで声を荒げた。
「そんなに付き合いたいなら自分で渡せ」
そう言ってソウタはポケットから手紙を出して目の前にいる兎獣人に返そうと前に出した
「なんで邪魔するの?」
「別にあいつとは仲悪ぃから、渡せなかっただけだ」
「嘘!確かに最初は言い合いばっかしてたけど、最近は無くなった。それどころか仲良さそうにしてたの知ってるんだ!」
「そんなことねぇよ」
「!っ、嘘つき!」
兎獣人は怒りが抑えきれずソウタの頬を叩いた。それを見たハルセは物陰から三人のいる場所に声を上げて姿を現した
「何してるんだ!」
自分を庇うように前に立っているハルセを見てどうしてここにいるんだとソウタは驚いた。
「事情は知らないが、ソウタが何かしたのなら俺も謝る。だが手をあげたのは謝ってくれ」
「なんで、竜峰さんがここに、、」
「なんでいんだよ」
「、、悪い、三人の後をつけてた。それより何したんだ」
「、、手紙だよ。あの手紙は、「やっぱりか」?急にどうし、」
「ソウタにプロポーズして付き合えないからって手をあげるのは違うだろ」
「、、いやハルセ違ぇ」
「?ラブレターだったんだろ」
「違う、、くもないけど。あの手紙を見てほしかった相手は、、ハルセだ」
「、、、へっ?」
「そうだ。僕はあの手紙を竜峰さんに渡してほしくて大狼さんに渡したのに、この人は渡さず自分で持ってたんだ!」
「、、、」
「、、手紙もちゃんともらってないし、告白もまだだが君には悪いが、たとえもらっていても俺が君と付き合うことは無い」
「分かってます。だからせめて友達から」
「諦めてくれ。君と付き合うことは絶対に無い」
「、、どうしてですか」
「俺にだって好きな奴がいるんだ」
「そんな、」
ハルセに完全にフラれた兎獣人は悲しい顔をしながら崩れ落ちた。そんな後ろでずっと喋らず動かなかったサイ獣人がようやく動いて、兎獣人の傍まで寄ると姫様抱っこで持ち上げた。
「、、迷惑をかけた。それとすまない、頬を叩いて。こいつに代わって俺が謝る。」
それだけ言うと、サイ獣人はその場から歩いてどこかへ行った。ハルセはとりあえず何も起きなくてよかったと安心して振り向いてソウタの叩かれた方の頬撫でた
「頬、大丈夫か?」
「//、、平気だよ」
「けど、とりあえず保健室に行こう」
ハルセはソウタの手を取って歩き出した
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