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二人は保険室に入ってソウタの頬に湿布を貼り終わると、ハルセが少し二人で話がしたいからとチャイムが鳴って午後の授業が始まろうとしているが、生徒会長室に二人で入った
ハルセはいつも座っている椅子に座るとソウタに自分の上に座れと手招きした。ソウタは少し嫌がっていたがハルセが手を取って横抱きするように無理矢理座らせた
「それで色々あったが、、あの手紙はソウタへのラブレターじゃなかったんだよな?」
「そうだ、ハルセへのラブレターだよ」
「、、どうして俺に渡さなかったんだ?」
「、、、」
「ソウタ、」
俺がソウタの名前を読んだら、こっちの顔を見ず少し震えた声で話し始めた
「、、嫌だったんだよ。もしかしたらハルセがあいつと付き合うんじゃないかって思ったんだ。、、でも、不安の中でそれでも勇気出して告白しようとしたあいつの勇気を踏みにじる資格なんてなかった」
「確かにあの子には悪いことをしたな」
ソウタはそのまま少しずつ涙目になって話し続けるから、俺はゆっくりソウタの頭を撫でた
「、、俺も好きな奴がいるんだ。そいつとは子供の頃から一緒だったんだ」
「ああ」
「そいつの笑う顔とか照れる顔とかめちゃくちゃかわいくて、一回その顔見ると忘れられなくてまた見たいって思うんだ」
「ああ」
「でもよ、俺が根性なしだからそいつに未だに好きだって、俺と付き合ってくれって告白も出来ねぇんだ」
「ああ」
「でもあいつは俺とは違って勇気だしてハルセに告白しようとしたんだ」
「そうだな」
「、、俺って本当にだせぇな」
「俺はソウタの好きな奴が誰か知らないが、俺はさっきアイツを振った」
「、、、」
「俺の話も聞いてくれるか?」
俺は撫でていた手をソウタの湿布が張られた頬を痛くないようにゆっくり触ると俺の方を向かせて目を合わせて話し始めた
「俺の好きな人はな、小さいころ回りの奴と馴染めなかった俺にできた初めての友達なんだ。でもある時、俺のせいで事件が起きてその人に悪評が立つようになったんだ。それからは少し疎遠になって廊下ですれ違っても話すこともない、ただ目が合うだけ。遊ぶことも無くなった。でもそれから地元から離れた高校に来てまた少しずつ喋れるようになったんだ。まぁ口喧嘩のほうが多いかもしれないが」
「、、、」
「でも、やっと距離が戻ってきたというか今は前より縮んでもっと話せるようになってきたんだ」
「、、、」
「俺の好きな人はそうだな、、今の俺達みたいに側にいてくれると安心出来て、甘えたくなってしまうような人だ。それに俺はソウタを根性なしと思わない。俺だってまだ好きも言えなくて告白もまだできてないんだ」
「ハルセ俺、」
俺はソウタが何を言うかもう分かってるけど、ソウタの口を手で塞いでその先を言えないようにした。ソウタから告白されたいけど、やっぱり自分から言いたいと思ったから
「俺はソウタが好きだ」
「俺も、」
「でもソウタとは付き合わない」
「!やっぱり、幻滅したよな」
「違う、まずあの子にちゃんと謝らないといけないだろ。付き合うとかの話はそれからだ」
「そう、だよな」
「、、俺はソウタと出会ってから、自分の気持ちを心にしまって今までずっと過ごしてきたんだ。一日二日ぐらい簡単に待てる」
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