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翌日の朝、ルルメリアは部屋から出てこなかった。もっというと、ベッドから出てこなかった。布団を全身で被ったルルメリアは、動きそうになかった。ポンポンと丸まった布団に触れる。
「ルル、朝だよ。ご飯の時間」
「……おかーさんきらい」
どうやらルルは寝れば忘れるタイプではないようだ。
「いいの? 今日はルルの好きなチョコレートパンなんだけどなぁ」
「ちょこれーと‼」
バッと布団を退かして起き上がるルルメリア。ばっちりと目が合う。
「マイラさんからさっき買ってきた、できたてのパンなんだけど」
「できたて!!」
不機嫌そうな声は消え去り、一気に笑顔がこぼれた。
「あたし、ちょこれーとぱんたべる!」
「はい、おはようルル」
「おはよーおかーさん!」
ご機嫌になったルルメリアは、そのまま食卓に直行した。着替えなさいと言いたかったが、今日だけは見逃してあげよう。
おいしそうに頬張るルルメリアに、私は自分の分のパンを渡す。
「ルル、これあげる」
「えっ、おかーさんのだよ」
「昨日ルルに酷いこと言っちゃったでしょ? だからごめんなさいのパン」
「……うん、いいよ! なかなおりね!」
にっこりと笑みを浮かべるルルメリアに、ほっとしながら食べる様子を眺めていた。
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