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「ううん、違うの。きらきらしてるのわね、私がオースティン様に恋してるからなんだ」
「こい……おかーさん、おーさんのことすきなの?」
不安と疑問が混ざった表情に、私は自信を持って頷いた。
「うん、好きなんだ」
そこからは自然と自分の気持ちを表現するかのように語り始める。
逆はーれむとは全く別物になる純粋で、単純な恋愛もあるのだということを、どうかルルメリアにも知って欲しかった。
「オースティン様のことが好きで、隣に立ちたいって思った時に、侍女だなんて言われたままじゃ駄目だもの。どこまでできるかわからないけど、できるところまで頑張りたくて……だから練習してたんだ」
本音を吐露した恥ずかしさを隠すように笑みを浮かべると、ルルメリアはじっと私の方を見ていた。そして、再び両手を胸に掲げた。
「あたし、おかーさんのことおうえんする! あたしもおかーさんとがんばる!」
「……ありがとう、ルル」
一緒に頑張ってくれるのはとても心強い。私の練習にルルメリアが付き合うとなると、これは二人で成長するよい機会なのかもしれない。
「それじゃあ頑張ろう!」
「おー!」
二人でそう決めると、早速練習を再開した。立ち姿や雰囲気だけでなく、表情や細かな所作まで見ていくことにした。
これはもはや実質淑女教育になっていたが、ルルメリアは楽しそうに勉強してくれた。
以前抱いていた「おひめさまになる!」という気持ちというよりも「おかーさんとがんばる!」という思いが強いことに、私は感動するばかりだった。
そんな上達する中、演奏会の三日前に素敵すぎる贈り物が届いたのだった。
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