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「じゃあ、陽太はどんな子がタイプなんだ?可愛い系?美人系?」
「そうだなぁー」
陽太は少し難しい顔をした後に口を開いた。
「好きになった奴がタイプだな!」
「うわっ…出た!イケメン発言!!これだからモテるやつはムカつくわー」
「へっへー」
「くそぉー、俺もお前みたいなセリフ一回は言ってみてぇ!」
「残念、進には無理だろ?」
「なんだとー!!」
「まあまあ、落ち着いて……」
「てか、進の好みのタイプってどんな奴だよ?」
陽太に突然話を振られて進一郎は驚くと困ったように頭を搔きながら答えた。
「え、俺?えーっと、髪はショートで笑顔が可愛くて優しい人かなー」
「へぇー、意外と普通だな。進ならもっと派手な感じの子が好きそうなのに」
「僕もそれ思ったー」
「派手過ぎるのはちょっと苦手なんだよなぁ」
陽太の言葉に、進一郎は苦笑いを浮かべる。
「へぇー、意外だわ。で?優月はどうなんだ?」
いきなり話を振られた僕はドキっとした。
「へっ?ぼ、ぼく?」
「お前はどうなのかなぁーって」
僕の好きなタイプ……。
考えた瞬間、陽太の笑顔が頭に浮かんで顔が熱くなるのを感じた僕は慌てて首を左右に振ると、誤魔化すように笑った。
「えっと、考えたことなかったかも」
「ええ!?マジかよ!」
進一郎が叫ぶ。
そんなに驚かなくても……。
笑って誤魔化したけど、チラッと陽太に視線を向けるとまた胸が痛んだ。
好きな人か…。
ちょうどその時、頼んでいたパフェとケーキが届き、お皿の上には果物がふんだんに盛られているクリームを食べ始めた。
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